第840話
「ド、ドラゴンさんが紫色になってるですぅ!マルコイさん!あのドラゴンさんは食べれるですか?」
「い、いや、多分食べない方がいいと思うぞ。お腹壊しそうだし‥」
ミミウだったらワンチャンありそうな気がしないでもないけど‥
でも血抜きするにしても、少しでも血が残ってたらお口溶けますし、焼いてもミディアムくらいだったら元の紫色の肉に戻って食べれなさそうだしな‥
スキル【創造士】でどうにか‥
いや、それだったら捕まえてきた方が安全な気がするし。
「や、やっぱりですか‥許せないですぅ!食べ物を粗末にする人には天罰が当たるですよ!」
おお‥
ミミウが天罰を当てる勢いだな。
腹ペコ食欲神現るだな。
ミミウさんが尋常じゃないくらいに怒ってらっしゃる。
そしてミミウの側ではかなりの数のノームが顕現化しており、一斉に地団駄を踏んでいる。
いや、君たちドラゴン食べないでしょ?
飼い主‥‥間違えた。
召喚者の感情にそこまで引っ張られるって、親和性が高すぎじゃないですかね‥?
「食べれないドラゴンさんは目に毒ですぅ!早くやっつけるですぅ!」
「そ、そうだな。」
ヨエクはまだ動きそうにない。
だったら早めにこっちを討伐するべきだよな。
しかしまさか魔肉化がモンスターにも効果があるとは思わなかった。
もしかしたら最初からモンスターを魔肉化する事はできたのかもしれない。
だがおそらくシエブラの目的は魔族を超える生物を作る事だろう。
そうであれば、魔肉化した物が知能を持つ事を重要視しているのかもしれない‥
しかしドラゴンの魔肉化か‥
普通のモンスターが魔肉化したところで、アンデッドより多少やっかいな程度かもしれない。
それでも俺たちにとっては、というところだが‥
だが流石にドラゴンが魔肉化するとなると一筋縄ではいきそうにない。
ドラゴンの攻撃力を持つ不死に近いモンスターなんて普通に考えたら反則に近い。
魔肉ドラゴンが動きだす。
ドラゴンは身体に空気を取り込んでいる。
ブレスを吐くつもりか?
「みんな気をつけろ!魔肉化しているから、普通のブレスじゃないはずだ。もしかしたらアシッドブレスかもしれない。ブレスの射線上に入るなよ!」
俺はエンチャント:穿つ者を発動させながら、みんなに注意を呼びかける。
するとドラゴンの頭が突然割れた。
「なっ!」
誰も攻撃してないはずだが‥
理由はすぐにわかった。
2つにわかれたドラゴンの頭はそれまで溜めていた空気を吐き出すように、ブレスを放射した。
火属性のブレスとアシッドブレスの両方を。
「くそっ!『氷壁界』!」
ブレスが火属性の可能性もあったので、念のために準備していた氷魔法を放つ。
火属性のブレスは氷の壁により何とか防げているが‥
アシッドブレスが氷壁に襲いかかる。
氷壁は酸を防ぐ事が出来ずに、すぐに溶けてしまう。
拙いな‥
「みんな防御が破られる。各々散開して‥」
俺はそう言いながらみんなの方に向こうとしたら‥‥すぐ後ろに土壁があった。
壁?
氷壁が溶け、2つのブレスが迫ってきた。
一旦壁の後ろに隠れる。
ブレスは土壁に阻まれ、四散している。
これは‥
「それじゃ行くですよ!」
あ、そうですよね。
ミミウさんですよね。
ミミウはいつの間にかロンギルでアースドラゴンと戦った時に乗っていた駆動型多腕マシンに乗り込んでいた。
そして背中の4本の腕を使い、巨大な土壁を支えている。
「ノームさんお願いしますぅ!」
ミミウがそう言うと、ノームたちが魔肉ドラゴンに向かって行った。
何をする気だ‥?
壁から顔を出して様子を見てみると、ノームたちは魔肉ドラゴンの横を通り抜け、魔肉ドラゴンの後ろで何かしているようだ‥
「そーれぇー!」
ミミウが可愛らしい掛け声をかけたと思ったら‥
土壁が動き出した‥
いやいやいや‥
横幅10メートル、高さ‥‥めっちゃ高い、厚さ2メートルくらい。
そんな物が動くとは思わないじゃないか。
魔肉ドラゴンも壁が迫って来ているのに気づいたのか、壁に向かって再度ブレスを使いだした。
しかしブレスは壁に阻まれ、壁の迫るスピードも変わらない。
魔肉ドラゴンはブレスでの攻撃を諦めたのか、土壁に向かい突進を始めた。
かなり重量のあるドラゴンの突進だ。
それだけで並大抵の物は吹っ飛ぶ。
しかし‥
土壁はピクリともせずに、そのまま魔肉ドラゴンを押し返している。
そしてジリジリと押し返された魔肉ドラゴンが‥‥
穴に落ちた。
----------------------------------------------------------------------
ブログ始めました。
遊びに来ていただけたら嬉しいです!修正している本編や、書いている時に考えてた事などを載せてます!
https://ogicon3777.com
〇読んでくださった方へ
よろしければ、星をポチッとしていただけると、とても嬉しいです。
今後の執筆のモチベーションにもつながりますので、ぜひよろしくお願いします~!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます