第836話
「き、ぎざまぁ!」
おお‥
思っていた以上にダメージを与えておりますがな。
ヨエクの片腕は千切れそうになって、しばらくぶらぶらしてたけど、別の肉とくっついて元に戻っていく。
相変わらず凄い回復力だな。
ちょっと戻ってる形が変だけど。
「みんな大丈夫か?」
俺は振り返ると、思ってたのと違う目で見られてた。
あれ?
なんで?
「マルコイ‥さっきのは何?」
「え?さっきの‥‥ああ『飛び出すパンチ』の事か?かっこよかっただろ?あれこそ男の浪漫武器だよな!」
「いや、浪漫とかじゃなくて‥魔道具なのよね?」
「ああ、そうだぞ。初めて見たのか?でもスキャンが乗ってたゴーレムが使ってたよな?」
「見た事はあるんだけど‥威力が段違いよね‥?それに今作ったのよね?」
「そうだよ、ヨエクが俺が納得いかない『飛び出すパンチ』もどきを使ってたからな。本物を見せてやったんだ!」
くぅ‥
かっこよかったよな!
「いや、そんなドヤ顔されても‥マルコイって本当にどこまで行くのかしら‥」
「マルコイ‥ちかくなったら‥すぐとおくにいく‥」
隣で大きく頷くアレカンドロ。
おお‥
剣術バカと模擬戦バカにまで呆れられるとは‥
ちょっとへこむな‥
「それよりもミミウありがとうな。ミミウの盾がなかったら危なかったよ。」
「なんか嫌な予感がしたですぅ。なにかゾワゾワしました!」
そ、そんなバカな!
ミ、ミミウの第六感的なものが、ご飯以外に働くなんて‥
多分明日は朝からタルタルが降るかもしれない‥
「きさまら‥何を悠長に私の実験体を無視して話し込んでるんだ?この程度の傷など、コレには無意味だぞ?」
いや、わかってるけど、まだ治ってないし肉がウゾウゾしてるだけじゃないか。
そんなドヤ顔して見るほどではないと思うが‥
「さっきのマルコイみたいなドヤ顔ね‥」
「ぐはっ!」
アキーエさんの言葉が僕のガラスの心を傷つけます‥
「ふん。この私の傑作なのだぞ。このまま終わる訳がないだろう。きさまらの内、何人かは倒させてもらうぞ。」
「何かマッドな所まで誰かさんに似てるわね‥」
「ぐほっ!」
俺は膝から崩れ落ちる‥
アキーエがいじめる‥
「冗談よ、冗談。流石にマルコイもあそこまで悪質じゃないわ。それに実験してる物も悪趣味だし。あんな相手の事も考えないような実験は許せないから、ここで倒さないとね。」
「ああ、そうだな。しかし流石にマルコイもあそこまでって事は多少は悪質と思っているという事かね?」
「それじゃあ、みんな行くわよ!」
誤魔化したな、おい。
アキーエの額に流れる汗を俺は見逃さなかった‥
「ぐ、ぐが‥オレの邪魔をスルやつは皆殺シだ‥」
動かずにその場から攻撃をしていたヨエクが動いた。
筋肉の塊のようになった割にはかなりの速度だ。
「そうです!ヨエク王よ、あなたの邪魔をするその者達を排除するのです!」
ヨエクは両手を振り回しながらこちらに向かってくる。
振り回している腕が突然伸びて間合いをズラしてくる。
その上、腕から触手が伸びてくるので振り回してくる腕を避けても、更に追撃がくるのが厄介だ‥
だが、それだけでうちのパーティに喧嘩を売ってきたのか?
だとしたらヨエクもシエブラも俺たちを‥俺の愉快な仲間である破壊者たちを舐めすぎだ。
「通行止めですぅ。」
ミミウが精霊の力で大きくした盾でヨエクの突進を止める。
「な!うゴカないだと?」
残念だったな。
ミミウの小さな身体にはとてつもないパワーが秘められているんだよ。
同じようにとてつもない食欲も秘められてるけど‥
「ぐ‥これデもくらエ!」
盾を避けるように回り込んだ腕がミミウを攻撃しようとする。
「むだ‥」
「それはあかんよ!」
伸びてきた腕はリルの刀とキリーエの銃に斬り落とされ撃ち抜かれた。
「どっせーい!」
そして隙の出来たヨエクの身体にアレカンドロの渾身の大斧が突き刺さる。
「ぐボっ!」
ヨエクの身体は転がるように後ろに吹き飛ばされていった。
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