第831話
ヨエクの屋敷に向かい歩みを進める。
羽根人形使ってみんなでワラワラと屋敷に攻め入っても良かったが、あまり早くヨエクを倒してしまうとイェルンさんが間に合わないからな。
正直ヨエク側があの肉塊を数体出してきた所で、うちのパーティなら過剰戦力だろう。
今回は俺も魔力に余裕があるから、問題ないとは思う。
ただ気になるのが近衛隊長とダリックの違いだな。
近衛隊長が変化した肉塊程度であれば問題ないが、ダリックは多少知能があった。
あれが更に進化でもしてたら、多少面倒くさい事になりそうだ。
すぐにでもどうにかなるとは思えないが、早く潰せるのは潰しておいたほうがいいと思う。
歩いて行くと、少し開けた場所に出た。
建物などが半壊していて、見通しがいい。
誰かがこの場所を作ったのか‥?
「マルコイ‥ここ何かあったのかしら?」
アキーエが問いかけてくる。
「いや、もしかしたらヨエク側が準備していたのかもしれないな。気をつけよう。」
アキーエに返答していると、リルが近寄ってきた。
「ここ‥マルコイがたたかったとこ‥ばくだんいっぱいつかった‥」
なん‥だと‥
た、確かに見覚えがある‥
そうか。
ここが自動二輪車がなくなった所だったか‥
アキーエが白い目で見ている‥
「マルコイも暴れてるじゃない‥それに覚えてないって‥」
はい。
すみません。
知らない土地ですし、来たのは自動二輪車で離れる時は必死に逃げたので覚えてませんでした。
その時、スキル【察知】に反応がある。
少数ではなく、かなりの数だ。
「アキーエ。その話は後だ。お客さんみたいだ。」
「そうやってすぐ誤魔化すわね‥わたしの事を爆殺女神だの、破壊神だの言ってるんだからちゃんと後で説明してよね。」
す、すみません。
でも破壊神は言っておりません。
「お前達がヨエク王に仇なす者達か。」
「何の話だ?俺たちは朝の散歩をしてるだけだぞ。」
「はっ!馬鹿かお前は?お前達の動きはギルド付近に潜入させている奴から聞いているのだ。お前達がヨエク王に弓引こうとしている事はわかっているのだぞ!その人数で何をするつもりかわからんが、ここで全員死んでもらう!」
く、くそ!
ば、馬鹿って言われた!
「ば、馬鹿って言う方が馬鹿なんだぞ!お前たちこそその程度の人数で俺たちをどうにかできると思うなよ!」
「その通りね。」
アキーエが早速魔力を操り、魔法を放射する。
地面が爆発してヨエク兵が派手に飛ばされる。
アキーエさんもだいぶストレス溜まってらっしゃるようですね‥
「お前ら、うちのメンバーはかなり我慢してきたから暴れるぞ!俺は知らないからなっ!」
各々抜刀して戦いの準備を始める。
「それと一応忠告だ。これまでこの国の兵士だからあまり殺さないようにしてきたつもりだが、あくまでもヨエクに味方するつもりなら容赦はしないぞ。次は魔法も当てるし、命も刈り取る。こちらには前王のゼルギウス様もいる。もしこの国のためと思っている奴がいるのであればこの戦いから降りる事だな。」
「なんだと‥?ゼルギウスがいるのかっ!全員聞いたか?国賊のゼルギウスがいるぞ!奴を捕まえればヨエク王から多額の褒美がでる!こいつらもゼルギウスを匿っていた奴らだ、殺しても報酬が出るぞ!」
「「おーっ!」」
なんだ。
全員ヨエク側の奴らか。
それなら遠慮はいらないな。
「もう手加減の必要もないぞ。殲滅しよう。」
全員がコクリと頷く。
「おっしゃー!俺が1番のり‥」
俺は向かってきたヨエク兵の首を斬り落とす。
「全員覚悟しろよ。」
一瞬にして仲間の首が斬られた事で動きが止まるヨエク兵たち。
「弾けよ!灼熱の爆炎!」
アキーエの炎がヨエク兵たちに直撃する。
何とか炎から逃れた兵に対してキリーエの銃弾が胸に大きな穴をあける。
リルとアレカンドロも近くにいる兵たちに攻撃を仕掛ける。
さて、戦闘開始だ!
あ、ミミウさん。
ウトウトしてないでそろそろ戦いが始まりますよ!
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