第818話
ダリックがその場で突然起き上がった。
特に予備動作もなく、突然だった。
そしてその場から全方向に触手の攻撃を放った。
なるほど、その触手を使って起き上がったのか?
しかし何故全方向に攻撃を放つ?
俺が避けるのを防ぐためか?
攻撃の意図が読めず、ゴーレムを動かして距離を取る。
「うぎゃあ!」「ひっ!ひぃぃ!」
なんだ?
触手は俺だけではなく、隠れて戦いの様子を窺っていたヨエク兵にも放たれていた。
別にヨエク兵がどうなろうと構わないが、ついさっきまではヨエク兵を攻撃するような真似はしなかったはずだが‥
単に面倒になったのか‥
それとも‥
完全にダリックじゃなくなったか。
辺りに血の匂いが漂う。
辛うじて死を間逃れたヨエク兵もいたが、痛みで悶えた瞬間に別の触手に身体を貫かれていた。
うわぁ‥
動く物に反応して攻撃している。
あれ完全にダリックの意識消えてるよね?
まあ元に戻そうとかそんな事まったく考えてなかっけど、ああなるとついてきたヨエク兵も可哀想だな。
まあついてきた相手が悪かったという事で。
周りに動くものがいなくなったためか、ダリックだった物が俺に向かって近づいてくる。
攻撃の範囲に入ったのか、触手がゴーレムに向かって迫ってきた。
何十という触手の雨だ。
避けようがない。
触手はゴーレムに突き刺さ‥‥らない。
「効かーん!」
そんなへなちょこ触手なんぞで、俺のゴーレム君の装甲を貫けるはずがないだろうが!
貫けないとわかっているのに、触手は何度もゴーレムを攻撃してきている。
こいつ‥‥
思考していない。
やはりもう人はやめたみたいだな。
よし!
なら遠慮なくいくぞ。
いや、今までも別に遠慮してたわけじゃないんだけど。
迫ってきた触手をドリルを使ってはたき落とす。
時々触手が千切れるが、下に落ちた後もビクンビクンと動いていて非常に気持ち悪い。
シューシュー言ってるし。
しばらくすると触手同士がくっついて、ダリックの元に戻ろうとしている。
俺はそれを踏み潰して、ダリックに向かって進む。
近づくにつれて触手の攻撃が激しさを増すが、気にせずに進む。
右腕のドリルで触手を振り払い、左腕のドリルアームを使い攻撃する。
ダリックは身体に何箇所も穴を空ける。
しかしダリックは意に介さず、触手ではなく自分の腕で攻撃してきた。
これはまともに喰らうとまずいな。
ゴーレムを操作して回避行動を取る。
しかしゴーレム動きが遅い。
ゴーレムの反応速度が遅いのではなく、何か物理的に動きを阻害されている?
ゴーレムの足元を見ると、千切れた触手がゴーレムの足にまとわりついていた。
しまった!
ダメージは喰らわなかったが、こんな障害になるとは‥
意図した行為ではないはずだ。
だとしても窮地なのは変わりない。
ダリックの腕が上から振り下ろされる。
「負けるかぁ!唸れ!必殺のツインドリルパーンチ!」
俺はゴーレムの両手のドリルを使い、振り下ろされた腕に攻撃をする。
ダリックの振り下ろした腕と、ゴーレムのドリルが衝突する。
衝突の衝撃でゴーレムが軋む。
そしてダリックの腕の圧力にゴーレムの右腕が音を立てて崩れ落ちる。
しかしそれと同時に圧力が少し弱まった。
一気に左腕でダリックの腕を押し返す。
肉が千切れる音がして、上からの力が急に消失した。
重量のある音を立てて何かが後方に落ちる。
確認するとダリックの腕が転がっていた。
よし!
ハイパードリルアームの勝ちだ!
足元にある触手を踏み潰して、後方に退がりダリックから距離を取る。
危なかった!
ゴーレムごと潰れるところだった!
腕が千切れた時に降りかかってきた血もゴーレムのおかげで俺のところまではかからなかった。
あれ浴びてたら流石の俺もやばかったと思うしな。
主に匂いで。
しかしどうするかね?
こっちは満身創痍だが、あちらさんは千切れたところから肉が盛り上がって、また形を変えている。
ジリ貧だが、もう少し粘るか‥
そう思っていると、突然周囲に霧が発生した。
お?
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