第817話

魔力消費はあったが、腕の一本を創造しただけなのでかなり少なく済んだ。


ゴーレムの左腕の接続部を確認する。


ダリックに引きちぎられたところから、金属製の腕になっている。


力任せに引きちぎられた場所を覆っているので、金属製のアームはつぎはぎ模様のようになっている。


動くのか不安になったが、左腕を操作するとしっかりと反応してくれた。


それに他の部位よりも操作した時の反応が早い。


左腕だけが操作してからのタイムラグがほとんどないようだ。


これならいけるか?



ダリックは腕を振り上げて、振り下ろすように攻撃を放ってきた。


距離を取っている俺の頭上まで腕が伸び、そのまま叩きつけるように腕を下ろしてきた。


俺がさっきの攻撃を下に屈んで避けたから、それを防ぐためか?

ある程度の学習はできるみたいだな。


まあ、それでもある程度だしこんな見て避けれるような攻撃喰らわないけどね。


俺はゴーレムを操作して横に移動して攻撃を躱す。


ダリックの腕は地面を大きく抉り、砂埃を舞い上がらせる。


「必殺ドリルアーム!」


その伸び切った腕に向かって左腕のドリルを叩きつける。


「ぐがァァァァ!」


ドリルはあっさりとダリックの腕に突き刺さり、血飛沫を上げさせる。


おお!

すんなり刺さった。


伸び切った腕だったから刺さったのか、それともドリルアームスーパーだったから刺さったのか‥


あの筋肉にも刺さるかな?


ダリックの腕から溢れる血は周りの地面に落ちて異臭を放っている。


やはり血は危ないか‥

攻撃した時に警戒しないといけないな‥



しかしいい発見もあった。


ダリックは痛みを感じるようだ。

ギルドを襲おうとしていた肉塊は痛みを感じる様子はなかったけど、痛みを感じるようなら助かる。


ダリックの腕は痛みのせいかすぐに縮む様子はない。


だったら‥


俺はローラーを使い、ゴーレムをダリックの方へ向かわせる。


痛みに悶えるダリックは俺が近づいている事にすら気づいていない。


そんなに痛かったかね?

しかしそんなもんじゃないぞ、俺の自動二輪車が喰らった痛みはっ!


‥‥‥‥あれ?

もしかして自動二輪車もスキル【創造】で修理できるよな?

材料もあるし、さっきと同じように戻すならそれほど魔力も必要ないんじゃないだろうか‥?




「え〜と‥‥簡単に修理できそうだけど、とりあえず自動二輪車は痛かったと思うよの必殺『ドリルパーンチスーパーハイパー』!」


俺の怒りは多少引いてしまったが、自動二輪車が壊された事には変わりない。


そんな俺の微妙な怒りの攻撃を喰らうがいい!


「カガがァァ!」


ダリックの紫色にヌルッと光る筋肉はほんの僅かドリルを防いだが、すぐに抵抗をやめてドリルをその筋肉に受け入れた。


盛大に飛び散る血飛沫。


ゴーレムにもかかるが、この程度の腐食なら問題ない。


この程度で俺の作ったゴーレムが溶けはしないぞ。

ただ臭いが酷くて吐きそうになるけど‥


今度ゴーレムを作る時は搭乗席に風を循環させる魔力回路をつけておこう‥




多少の抵抗はあったが、ドリルはダリックの胸板を貫通する。


ゴーレムの腕を引き抜く。


するとダリックは後方にゆっくりと仰向けに倒れた。






肉塊は再生能力があったがこいつはどうだ‥?


普通に考えて確実に致命傷ではあるが、もしかしたらアレと一緒で動き出すかもしれない‥


しばらく様子を見てみるが動く気配はなさそうだが‥


そっとゴーレムの足で突いてみる。


動かない‥

なんだ、こいつは普通に死ぬのか‥


よかった、また再生すると思って血みどろの戦いを想像してしまったじゃないか。




安心してゴーレムを下がらせようとするとダリックがピクンと動く。


するとそれまで動かなかったのが嘘のように肉が躍動しだした。


胸に空いた穴と、腕につけた傷から新たな肉が溢れ出すように蠢く。


そしてダリックだった物は腕と胸から触手のようなものを生やしている異形の物に成り変わった。


「やっぱりそうだよな‥しかし見た目がだいぶ気持ち悪いんだけど‥」


マルコイは蠢く肉を見ながら呟いた。






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