第813話
「ささ!どうしますか?1対1を30回か、それとも30対1を1回か!自分としては30対1を30回したいところですが‥」
「な、なんだ今のは‥」
「う〜む‥そう言えばマルコイ殿に、他にも何か言われたような‥‥‥あっ!」
アレカンドロは自分が投げた大斧で腰を抜かしている男の元に向かう。
「危ない危ない。マルコイ殿に言われていた事を忘れておりました。さて質問だが、お主は偉そうか?」
「はひ?え、偉そう?お、俺は一兵卒だから偉くないけど、う、うちの隊長なら偉いと思います‥」
男は地面に尻餅をついたまま、怯えながら答える。
「なるほどなるほど。おい、お主がこの者らの隊長か?」
アレカンドロは1番最初にアレカンドロたちの目の前に現れた男に問いかける。
「い、今のは何なんだ‥?ま、まあいい。どこに隠し持っていたのかわからんが、唯一の武器を投げてしまうようなやつだ。それにこちらは火薬筒がある。問題あるまい‥」
「む?お主聞いているのか?もう一度聞くぞ、お主がこの者たちの隊長か?」
「あ、ああ。それがどうした?多少腕は立つようだが、所詮女1人。命乞いすれば命だけは助けてやってもいいぞ。そのかわりコイツらの相手をしてもらうがな。」
男は下卑た笑みを浮かべる。
「うむ。お主が隊長か‥ならば問おう。お主は偉そうか?」
「な、何を言っているんだお前は?この人数が見えないのか?」
「むう‥話がわからんやつだな。お主は偉そうかと聞いているのだぞ?」
「え、偉そうだと?偉いに決まっているだろう!俺はヨエク王に認められて衛兵隊長となった男だぞ。お前らのような底辺冒険者とは訳が違うのだ!」
「ほう、ふむふむ。よかった。これでマルコイ殿が言っていた偉そうなやつという問題も解決だな。よし!これで心置きなく戦えるというものだ!遠慮なくかかってくるがいい!」
「き、貴様は何を言っているんだ!ええい!お前ら!コイツを殺せ!これ以上この生意気な小娘に囀らせるな!」
「ちっ、勿体無い‥おい、隊長殿がお怒りだ。さっさとコイツを殺して、逃げた女を追いかけるぞ。」
ヨエク兵たちが一斉に銃を取り出して構える。
「ほう。まずは遠距離からの攻撃か。承知した。いくらでも撃ってくるがいい。」
アレカンドロは両手を斜め上に上げる。
そしてその腕をゆっくりと時計回りに動かす。
腕が一周する前に、腕を交差させて構えをとる。
「う、撃て!早く撃ち殺すのだ!」
隊長が何かを感じ取り兵たちに銃を撃つように促す。
「ふっ‥遅い!行くぞ『装着』!」
アレカンドロの身体の周りに光の粒子が現れる。
「撃て!撃つんだ!」
ヨエク兵たちが一斉に銃を撃つ。
しかしヨエク兵たちの銃弾は、硬い金属に当たったような音を立ててあらぬ方向に飛んでいく。
「効かーん!」
飛び交う銃弾の中を悠然と歩むアレカンドロ。
「な、なんだと!い、いつの間にフルアーマーを装備したのだ!」
アレカンドロの身体には、白銀に輝くフルアーマーが装着されていた。
「え、ええい!撃て撃て!フルアーマーが覆っていない顔や関節を狙うんだ!」
ヨエク兵たちはアレカンドロが突然鎧を装着していた事に鬼胎を抱くものの、命令を実行してアレカンドロの顔や関節を狙って銃を撃つ。
火薬筒の命中精度は悪く、殆どの弾が狙いと違うところに行くが数発はアレカンドロの顔や関節に向かい飛んでいく。
「よし!これなら‥‥なに!?」
直撃したと思われた銃弾はアレカンドロの身体を避けるように後ろに逸れた。
「効かーんと言っておるだろう!魔力の篭っていない遠距離攻撃など風を纏っている自分には届かぬ!さあさあ!それでは血湧き肉躍る戦いを始めようではないか!」
アレカンドロは手元にスキルで大斧を創り出す。
「な、なんだ貴様のスキルは!?何もないところから武器を取り出すなどありえぬ!」
「それではかかってこい!」
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