第805話

今度は失敗しないように、テーブルのある場所に移動する。


テーブルに皿を置いて、料理が皿の上に乗るように手のひらを下に向けてスキルを使用する。


「『創造:オムライス』」


すると皿の上に光の粒子が現れて、それが徐々にオムライスを形取った。


おお!

やはり凄い。


何故か鉄人形をスキルで作った時よりも感動してしまった。


「ミミウ、準備できたぞ。」


「わーい!やったですぅ!」


ミミウは料理に飛びついた。


そういえばスプーンを出し忘れてたな。


俺はスプーンを渡そうとミミウに近るがミミウはすでにスプーンを使ってオムライスを食べていた。


!!


ま、まさかマイスプーンか!

もしかしてお腹が空いた時点でスプーンを持って俺を探してたのか?


「ミミウ、それはマイスプーンか?」


「んぐんぐ‥‥はいですぅ!いつでもマルコイさんの料理を食べれるように常に持ち歩いてるですぅ!」


あ、常備品でした。


食べ終わりそうなので、次の料理を用意しようと思ったがミミウに手で制された。


なんだろう?

メニューのリクエストがあるのかな?


ミミウが食べ終わるまで待つと、ミミウが申し訳なさそうに口を開く。


「マルコイさん‥‥今のオムライス‥マルコイさん味がしなかったですぅ‥」


お、俺の味?


「さっきマルコイさんが作ってくれたオムライスは美味しかったですけど、今のオムライスは美味しいけど、何かちがったですぅ‥」


うっ‥


そんな悲しい顔しなくても‥


しかし何が違うんだ?

おそらく材料は同じなんだが‥


試しにさっきスキルで作って火傷させられたオムライスを食べてみる。


うむ‥

美味しい。


正直違いがわからない‥


「ミミウ、ちょっと待っててくれるか?」


俺はギルドの修練場に行き、調理器具魔道具を取り出す。


たまたま居合わせた冒険者たちが何やらざわついているが、無視だ無視。


その場で調理を行い、オムライスを作り上げる。


ミミウに持っていこうと思ったら、ミミウさん修練場に椅子を持ち込んで、ちょこんと座って待っておりました。


「それじゃあミミウ、こっちを食べてくれ。」


「はいですぅ!んぐんぐ‥‥わーい!マルコイさんの味がするですぅ!美味しいですぅ!」


さっきよりも凄く早いペースで平らげるミミウ。


うーむ‥

何か違いがあるんだろうけど、正直俺にはわからないぞ‥


「ミミウ、さっきのと何が違うんだ?」


「んぐんぐ‥味が全然違うですよ!マルコイさんのは、ブワーって味が口の中で広がるですぅ!そしてふわぁってなって幸せになるですぅ!」


うむ。

全然わからん。


今度キリーエにでも聞いてみよう。


ミミウを見ると空になった皿を悲しそうに見ていた。


はっ!

も、もしかしてコレって打倒腹ペコ大魔王失敗だって事ですかね?








疲労骨折しそうな腕を摩りながらルパートさんたちがいる所に戻る。


他の人なら気づかないのかもしれないけど、ミミウには微妙な違いがわかるんだろうな。

さすが暴食の腹ペコ大魔王だ。


ルパートさんを見かけて声をかける。


「ルパートさん、何か変わったことはないですか?」


「マルコイさん。ああ、今のところは何もないようだ。兵が戻ってこない事を不自然に思って誰かしら調査にくると思ったがな。」


確かにあれからかなりの時間が経った。

それこそ腹ペコ大魔王の腹ペコが少し落ち着くくらいには経過している。

もうそろそろ気づいてもよさそうだな。


「わかった、少し様子を見てくるよ。」


「大丈夫なのか?」


「なに、少し見てきて何もなければすぐに戻ってくるよ。」


俺は近くにいたアレカンドロに声をかける。


「アレカンドロ、ちょっと偵察に行ってくる。すぐに戻ってくるけど、ここに何かあったら頼むぞ。」


「承知しました!強そうな人がいれば戦ってもいいでしょうかっ!」


「ああ。でも一応相手の名前とか聞くんだぞ。とりあえず偉そうだったらぶっ飛ばしていいから。」


「承知しましたっ!」


よし、ちょっと遊びに行ってきますかね。







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