第784話
「それじゃあ約束は約束だ。30分後にまた来る。なるべく多くの奴が残っている事を祈ってるぞ!きひひひひ!」
男は耳障りな笑い声を残してギルドを出て行った。
随分と余裕だな。
お前の余裕なんて爆殺女神を投げ込んだら、その時点で終わるんだからな。
多分銃を撃ちまくるかもしれないけど、そんな物爆殺女神さんだったら弾ごと爆発させるんだからな。
まあそんな事をすると、俺の命も危ないからしないけど‥
ふん、命拾いしたな!
「何で奴だ‥あんな殺人鬼のような奴がいるなんて‥」
ギルド内に沈黙が流れる‥
「すまぬ。あのような者が衛兵にいたとは‥私の管理不足だ。」
そうは言っても、軍部はヨエクの管理だったはず。
それにアイツの口振りからすると、上の立場に立ったのはヨエクが反乱を起こしてからみたいだしな。
「いえ、王のせいではございません。恐らくヨエクはああいった者を衛兵の中に予め配置しておいたのでしょう。自分が王になった時に迅速に軍を把握して使うために。もしくはヨエクによってプリカの軍は少しずつ変化させられていたのかもしれませんね。」
確かにそうだ。
いくらヨエクが将軍だからといって軍の全てがついていくとは思えない。
しかし今回の反乱でヨエクではなく、王様にはついた衛兵は殆どいない。
やはりヨエクが何かしたと思った方がいいんだろうな。
さすがにお金や地位に全ての衛兵が唆されたとは思いたくない。
自分に忠実な奴を近くに寄せて、それ以外の意識を誘導するか‥
でも実力がありヨエクではなく、王様に忠誠を誓っていた者いたとは思うのだが‥
「そういえば反乱後に衛兵隊長を見かけなくなったな‥」
なるほど。
そういった人たちはすでに排除していたわけか。
王様側につきそうな人はすぐに排除したんだろう。
胸くそ悪くなる‥
もともと面倒なおっさんだと思っていたけど、ここまで真っ黒だとは思わなかった。
王様を元の王の位置まで戻すってのが目的だった。
だがヨエクにはきちんと代償を払わせる必要があるだろうな‥
「マルコイ君‥でよかったかな?パーティリーダーは君だよな?アイツらは君達がいる事を知らない。30分あれば充分な準備が出来るはず。助っ人の君達に頼むのは心苦しいが、前線を頼みたい。銃の射線を遮る事ができるよう最大限の用意はする。それに俺のスキルも使って君達に銃弾が届かないようにするから頼む。」
ルパートさんが頭を下げて頼んできた。
最初からそのつもりだったんだけどね。
「別に構いませんよ。」
「すまない‥」
ルパートさんは安堵したような、それでいて悔しそうな表情を浮かべる。
「多分俺のスキルを使ったとしても、今いる冒険者達では衛兵達に届かないと思うからな‥」
そういえばルパートさんのスキルって何だろう‥?
俺は【技能眼】を使いルパートさんのスキルを確認する。
ルパート
スキル【城壁】
スキルを使用しながら設置した物や、人が装備している鎧に触れてスキルを使用する事で耐久力を上げる事が出来る。
おお。
なんか凄いスキルだな。
さすがギルドマスターってとこか。
スキル【城壁】
鎧や物の今ある耐久値を作り替えるみたいだな。
確かにこのスキルなら30分もあればある程度の準備は出来そうだ。
それでも銃弾をくぐり抜けてアイツらの元に辿り着くには、今いる冒険者じゃ厳しかったわけか‥
「ん?なんだこの纏わりつくような感覚は‥」
あ、すみません、それ俺です。
「ところでルパートさんのスキルって何になるんですか?俺たちならアイツらの元に届くって事は、防御力を上げたりするものですか?」
本当は知ってますけど、模倣のためにお願いします。
「ああ、俺のスキルは【城壁】と言って、鎧や服などの防御力を上げるんだ。まあ一時的な物だけどな。」
そう言ってルパートさんは俺の軽鎧に触れてスキルを使う。
「これで多少は防御力が上がったはずだ。」
(ピコーンッ)
『模倣スキルを発動しました。スキル【城壁】を模倣しました』
よし。
重要なスキルも模倣できたし、あとはゴミ掃除と行きましょうかね。
----------------------------------------------------------------------
近況にも書いてますが、ブログ始めました。
遊びに来ていただけたら嬉しいです!修正している本編や、書いている時に考えてた事などを載せてます!
https://ogicon3777.com
〇読んでくださった方へ
よろしければ、星をポチッとしていただけると、とても嬉しいです。
今後の執筆のモチベーションにもつながりますので、ぜひよろしくお願いします~!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます