第777話
ここで作れて、今ある食材で出来る物か‥
ゆっくりとする時間はないから、簡単にできる物がいいよな。
本当はここで料理なんてしてる暇はないんだろうけど、腹ペコミミウさんには敵いません。
米とソーセージ‥あとは卵や野菜があるなぁ‥
そうだ。
簡単でミミウに受けそうな料理を作ることにしよう。
まずは魔道具キッチンを取り出す。
王様が何やら驚いていたが、イェルンさんが「マルコイさんですから。」とか言っているやがる。
玉ねぎをみじん切りにして、ソーセージを幅1.5センチ程度に切る。
玉ねぎを炒めて少し色が透き通ってきたくらいでソーセージを入れる。
少し炒めて、そこにどーんとご飯を入れる。
そこにホット商会印のトマトソースを入れる。
ホット商会のおかげで異世界のほとんどの調味料を使う事が出来るようになった。
普通の人でも買えるようにするって言ってたけど、今の時点では何をどう使っていいかわからないだろう。
それでもホット商会の料理人たちは、その調味料を使って独創的な料理を作るんだろうな。
でも俺の知識にあるのは異世界の料理人たちが長い年月をかけて作ってきたものだから、まだまだ追いつかれる事はないだろう。
多分この料理も。
米にソースが均等に絡んだら、一旦取り出して皿に盛り付ける。
そして卵を割ってかき混ぜて、熱した鉄鍋に入れる。
少しかき混ぜて、火が通ったら形を整える。
卵を先程盛り付けた米の上にふんわりと乗せる。
そして袋の中にトマトソースを入れて端を切る。
卵の上にトマトソースをかけて完成だ。
ちなみにトマトソースはそのままかけてもいいが、端を切ってかけることで卵の上に文字を書かことができる。
アレカンドロには『脳筋ほどほどに』
リルには『返り討ちだ』
王様には『祝、生還』
クィリーノさんには『激しぶ』
イェルンさんには『後で覚えとけ』
ミミウには『ブラックホール』と書いてやった。
外の爆音も止んだので、アキーエとキリーエの分も作っておくかな。
その前に出来上がった料理を全員に配る。
「わぁー!ご飯の上に文字が書いてあるですぅ!」
「おお!これは凄いですな!はて?脳筋とは?」
ちっ!
アレカンドロは脳筋って言葉から教えないといけなかったか‥
「キシャーッ!」
いや、リルお前から突っかかってきてるんだからな。
次は必ず返り討ちにしてやると決めているんだ。
「ふふ。こんな余興も良きかな。ありがとうマルコイ。」
「いえ、勿体ないお言葉です。それは自分の本心ですから。王様が無事じゃなかったら、俺もアキーエたちも大暴れしてたと思いますからね。」
「そ、それは困るな。我が国が無くなってしまうかもしれぬ。く、国のためにも私は無事でよかったのだろうな。ははは。」
さすがに国を無くしてしまう事はできないと思うけど、ヨエクの家は地上からなくなっていただろうな。
まあでもアキーエさんが本気をだしたら、もしかしたらこの国くらいは‥
いやいや、さすがに‥
いけるかな‥?
「あ、あのマルコイさん‥」
「ん?どうしましたイェルンさん。」
俺は満面の笑みでイェルンさんを見る。
「あ、あのちょっと‥自分の料理が間違えているみたいで‥た、多分他の人の分が私の所に来てるんじゃないかなぁと‥」
「いやいや、間違いじゃありませんよ。ちゃんとイェルンさんのために作った料理ですから。味わって食べてください。」
イェルンさんの額から一筋の汗が流れる。
「あ、あれぇ?お、おかしいな。あ、わかった!これは逆に読むんですね!けとえぼお‥」
「いえいえ、今読んでる方が逆ですよ。自分の胸に手を当てて、しっかりと味わって食べてくださいね。」
「ひ、ひぃ!マ、マルコイさんの笑みが黒い!」
ふん、失礼な。
君のやった事は許されない事だ。
この件が終わったら、ちゃんとお返ししてやるからな。
ふははははは。
「ふ〜ん、マルコイさんうちのは何て書いてあるん?」
ふおっ!
びっくりした!
「キリーエ、いつ戻ってたの?」
「え?マルコイさんが料理を始めたくらいやったけど?」
さ、さすがキリーエ‥
ちなみにキリーエの文字は『びっくり商人』です‥
----------------------------------------------------------------------
近況にも書いてますが、ブログ始めました。
遊びに来ていただけたら嬉しいです!修正している本編や、書いている時に考えてた事などを載せてます!
https://ogicon3777.com
〇読んでくださった方へ
よろしければ、星をポチッとしていただけると、とても嬉しいです。
今後の執筆のモチベーションにもつながりますので、ぜひよろしくお願いします~!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます