第776話

辺り一面瓦礫と化している。


ちょ、ちょっと思うところがあって力が入り過ぎちゃったみたいね‥


「くそっ!化け物め!」


わたしの後ろに衛兵の1人が銃を持って飛び出してきた。


おそらく他の衛兵がやられた時は隠れていたんだろう。


そしてわたしの隙を見て飛び出してきたってところかな。


「はっ!貴様の魔法は手で標準を合わせないと放てない魔法だろう!この位置なら俺の方が早い!」


うーん‥

銃を撃たれても躱せるんだから、そっちが早くても意味ないんだけどね‥


わたしは後ろを振り返らずに魔法を放つ。


魔法は同じように地面に着弾して男を空へと吹き飛ばした。


「なんでだぁー!」


いや、何でって‥

別に指で照準合わせなくても魔法は放てるんだけど‥


ちょっと銃の真似をしたかっただけで‥


べ、別にキリーエの銃が羨ましかったわけじゃないからね!


わ、わたしもマルコイにガントレットもらってるんだから羨ましいわけじゃないのよ!

ただキリーエがマルコイから、自分の身を守るためにってもらっていたからマルコイに守ってもらってるみたいだなぁ‥なんて思ってないんだからっ!


「な、なんだこれはっ!」


数人の衛兵が遅れて到着したようだ。


「さっきの爆発音も貴様かっ!我が同胞をこの‥ぐわっ!」


残ってた火球をまとめて放つ。


全員が気持ちよく飛んでいった。


‥‥‥マルコイは王様も取り戻したから、遠慮しなくていいって言ってたわよね。


ちょっとここ一画廃墟になったけど、しょうがないわよね‥


助けるのは王様だし、王様のために戦っている上で必要だったと思うし‥


あとは偉い人が何とかしてくれそうだから、遠慮なくぶっ飛ばしてこのモヤモヤをすっきりしないと!









「なんだこの音は?」


男は豪華な椅子に座ったまま近くにいる男に声をかける。


「どうなっている?報告せよ。」


椅子の側に立っている男は、椅子のある壇上から少し離れて立っている別の男に声をかける。


「はっ!確認してまいります。」


男は部屋から出て行く。


「もう少しで軍事国家トールルズが出来上がるのだ‥邪魔する者は全て排除せよ‥排除して殺すのだ。殺して殺して殺すのだ‥」


「はい。わかっております、我が王よ。王の道に落ちている小石など、私が全て払ってみせます。王はそのまま覇道をお進みください。」


椅子の横に立つ男は醜悪な笑みを浮かべる。


「全てこのシエブラにお任せください。」


シエブラは椅子に座る男に一瞥もくれず呟く。


「全てはあのお方のために‥」









爆発音が鳴り止まない‥


数的にはもう十を超えたような気がする‥


「マ、マルコイさん‥?プリカを廃墟にされると、些か困るのですが‥」


「な、何を言ってるんですがイェルンさん。さすがにそこまでは‥‥‥‥‥‥ないと思います?」


「なんですかその間は!?それに何で最後は疑問形なんです?これって街もヨエクも全て灰になりませんか!?」


流石なそこまではしないと思うけど‥

でも遠慮しなくていいって言ったからなぁ。

どこまで遠慮しないのかアキーエさんに聞いてみないとわからないですね!


「ま、まあとにかく次の動きについて話しましょう!」


「次はどこでご飯食べるですか!?」


おおう!


ミミウさんや、ちょっとだけ待てるかなぁ‥


あ、目が超真剣だ。

これは一歩も譲る気がない感じだ‥


「アキーエ殿はいいですなぁ!マルコイ殿!自分もちょっと外に出てきていいですか?」


「ちょっと待ってろ!今からご飯を食べて、移動するから!アレカンドロはここの地理わからないだろ?帰ってこなくなるでしょうが!」


やばい。

みんな我慢が効かなくなってきたぞ。


とりあえずご飯で引きつけて、その間に次の動きを考えなくては‥


俺はその事を告げようと、王様とイェルンさんを見る。


何故か2人ともキラキラした目で俺を見ている。


あれ?


「マルコイの料理か!楽しみだな!」


「ええ!また素晴らしい物を作ってくれるはずです!」


え?

なんで君たちまで腹ペコ側になってるのかな‥?











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