第767話

「マルコイ、話はついたの?」


「ああ。ここから出て、王様がヨエクと戦える戦力を確保して交渉するそうだ。俺たちはその護衛と協力だな。」


「え?ヨエク爆破しないの?」


いえいえ、俺もそう思っていましたが、アキーエさんから聞くと過激ですね。


「とりあえずそれはちょっと先延ばしだな。」


「そっか、先延ばしか‥」


その気持ちはわかるぞ。

俺も残念だ。

でもちょっと戦力集めるの難しかったら、向こうの戦力減らす為にヨエクの家を爆破するのも手だと思ってるけど。


「マルコイ、ばくはなしか?きるか?」


「いや、斬りもしないぞリル。てかお前さっき俺もまとめて斬ろうとしたよな?」


「ん?すばやいてきだったから、いったらよけられるとおもった。マルコイならよけれるとおもった。」


うっ‥

まあ確かにそれはそうだけど‥


「マルコイつよい。だから。」


「ま、まあ、あれくらいなら避けれると思うけど。」


リルにそう言われると悪い気はしないけど‥


「そしてちょろい。」


「今なんて言った?」


「マルコイかっこいい。」


何かやっぱり狙われているような思いが拭えないのだが‥


「ん、気のせい‥」


心を読むでない。




「それじゃあ鉱山から出るとしよう。みんないいか?」


「マルコイさん!」


「どうしたミミウ?」


「マルコイさん、ノームさんたちがお散歩から帰ってきたですぅ。それで拾ってきた物をマルコイさんに渡したいそうですぅ。」


そういえばノームたちが鉱石集めに行ってたな。

希少鉱石でも持ってきてくれてるといいけど‥


「マルコイさん、あっちに集めてるですぅ。」


ミミウに連れられてみんなで移動する。


そして少し大きめの空間についた。


そこには‥


山のように積み上げられている鉱石があった‥




「お、おいミミウ‥これって凄くないか?」


「なんでもノームさんたちが言うには、ここの鉱山に埋まってる鉱石なんかも全部集めてきたみたいですぅ。」


「え?全部?」


「はい!全部ですぅ!でも鉄鉱石とか銅とかはまだあったみたいで、いるなら持ってくるって言ってるですぅ!」


積み上げられている鉱石の9割はミスリルだ。

そして残り1割がオリハルコンのようだ。


「えっと‥それじゃあこの鉱山はもうスカスカって事?」


「はいですぅ!でも鉄鉱石は採れるですよ?」


鉄鉱石はその辺に投げ捨てたようなヤツらだからなぁ‥

多分鉄鉱石とかだけしか残ってなかったら、余計に絶望するんじゃないか?


「まあ、でもこれって拾ったというよりも盗っただよなぁ‥」


さすがに量が多すぎて焦った。

それにちょっと拾ってきましたなら持って行くけど、これってプリカで採れたものだしなぁ‥


王様の目の前で持っていくのは気が引ける‥


一緒にいる王様に視線を向ける。


俺の視線に気づいた王様が口を開く。


「ん?まさか私の事を気にしているのか?ここにある物はプリカに報告があがっていない鉱山だ。よつて私は認識しておらぬし、別に発見した貴公が持って行っても咎めはせん。それに‥」


王様が自分の身体を見る。


「今は私達では持ち運ぶ術がないし、このまま放っておいたらヨエクの懐に入るだけだからな。全部持っていってくれ。それとヨエクの悔しがる顔も見てみたいからな。」


王様がニヤリと笑う。


なんと王様からの許可が出ました。


俺は持って行く術がありますから、根こそぎいただきますよ。


「マルコイさん。これでうちの『プロミネンス』の弾を心配せんでええね。」


確かに!

これだけあれば何万発作ってもお釣りがくる。


「そうだな。これで遠慮しなくてどんどん使っていいぞ。」


今までも遠慮してた感じはしなかったけどね。


「むぅ‥キリーエきょうてき‥」


いや、討伐競争はもうしないからね。

アキーエもアレカンドロもそんな顔しないの。


そんなみんなを見ながら俺は希少鉱石を『スペース』に入れるのだった。











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