第754話

ちょ、ちょっと待て!


なぜここにミミウがいるんだ?


もしかして精霊の道を使ってここまで来たのか?


お腹が空いたからか‥?


だがそうならないようにキリーエをミミウと一緒に置いて‥


あれ?

キリーエってアキーエと一緒にいなかったっけ?


だったら外にいるのは‥


ミミウと恵とアレカンドロ‥‥とリル‥‥‥


そっか。


アキーエとキリーエがいなかったら壊滅的か‥


いや、恵がいるから‥


食材ないわな。


ミミウがこっちに来るのは必然だったようだな‥



「マルコイさん〜!どこですかぁ〜!お腹が空いたですぅ!」


むう‥


腹ペコ大魔王が呼んでいる。


「なんだ!コイツはどこから現れた!おい!コイツを先にやるぞ!」


バカなっ!

それは悪手だぞ!


お腹ぺこぺこのミミウに喧嘩を売るなんて!


男たちが一斉にミミウに向かって銃を構える。


おっと。

冗談言ってる場合じゃないな。

これだけの数の銃を放たれたら、さすがのミミウも‥


「お腹空いたですぅ!」


ミミウの声に反応して、土の精霊ノームが慌てるように四方に走り出す。


あんなに慌ててるノームは初めて見るな‥


ノームは慌てながら地面に吸い込まれるように消えていった。


何か目的があるのかな?

そう思っていると、突然地面が揺れる。


「な、なんだ!各自何かに掴まれ!」


ミミウを包囲していた男たちが慌てて手近な物に掴まる。


揺れはどんどん大きくなり、立っていられなくなる。


俺も掴まる物を探していると、突然地面が消えた‥


いや、違う。

地面がなくなったのだ!


下を見ると地面はある。

しかし1メートルほど下にだ。


俺は地面に着地して周りを見る。


「あいたっ!」


イェルンさんが‥いや、イェルンが転けた。

まあこれはわかっていた事だ。


そして周りにあったはずの家や建物が軒並みなくなっている。


なくなっているというのは表現としておかしいな。

建物が地面に埋まっているといったほうがいいだろう。


「な、なんだと言うのだ!何が起こったんだ!」


襲撃して来た奴らは戦々恐々としている。


まあそりゃそうだろ。

だって俺も怖いもん。


何あれ?


人の力で環境って変えれんの?

あ、アキーエだったら一面焦土にできるか。


地面からノームたちが出できた。


そして俺を見るなり、その場で飛び上がってミミウの方に戻って行った。


なんだなんだ?


「あっ!マルコイさんですぅ!発見したですぅ!」


あ、ミミウに気づかれた‥


「く、くそっ!化け物めっ!撃て!撃て!」


この状況に翻弄されていた男たちが、体勢を整えてミミウに攻撃してきた。


「マルコイさん!ご飯くださいですぅ!」


ミミウの目には男たちが構えている銃など間に入っていない。


ちょ、ちょっと待て!

このままじゃまずいんじゃ‥


男たちが一斉に銃を放った。


弾がミミウに迫っているがミミウは気づいていない!


俺が走り出そうとすると、ミミウと男たちの間に2メートルはありそうな壁が突然現れた。


男たちが放った弾は全て土の壁に阻まれる。


その壁は徐々に高さを上げて、そのまま男たちに向かって崩れた。


「ぐ、くわぁ!」


男たちは土砂崩れに巻き込まれて土の中に埋もれた。



え、えっと‥



崩れた土砂からは手やら足やらが生えている。


「マルコイさん!お腹空いたですぅ!」


「お、おう。」


膝がカクカクしているのが自分でわかる。


今のミミウが命令してノームが動いてたわけじゃないよな?

明らかに自分たちの意思でノームが動いていたように見える。


精霊に気に入られると、そこまでやってくれるんだね‥


俺は『スペース』に入っている料理をミミウに出して渡す。


「やったですぅ!お腹が空いて空いて大変だったですぅ!」


うん。

ミミウを空腹にさせてはいけない‥


今回は敵だったからよかったものを、この娘はお腹空いただけで街を1つ潰しかねない‥


俺はミミウの手元から消えるようになくなる料理を見ながらそう思った‥








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