第752話
まったく誰が化け物よ!
失礼にも程があるわ。
「あ〜あ、我慢できへんやったね。まあしょうがないか。アキーエちゃんがやってへんやったら、うちがサクっていってたさかいね。」
いつの間にかキリーエが横に立っていた。
「ごめんね、キリーエ。」
「ええよ。あれだけ馬鹿にされたらしょうがないわ。それにマルコイさんだったら、もっと早くぶっ飛ばしてるとちゃうかな?」
マルコイは遅い時間になっても調査をしているみたいだけど、まだ騒ぎも起こっていない。
あれだけわたしが騒ぎを起こしたら駄目だよって言っていたのに、わたしの方が先に騒ぎを起こしちゃった‥
たくさんの人の気配が宿に向かってきているのがわかる。
「そうだよね‥あの人ただの衛兵って感じじゃなかったし、応援呼ぶわよね‥」
「そやね。うちも手伝うさかい、さっさと終わらせてマルコイさんと合流しよ。王様の居場所も検討ついたさかい。」
「ほんと?それはよかったわ。なら多少暴れても大丈夫かしら?」
「ええんとちゃう?」
わたしはキリーエと一緒に宿の窓から外に出る。
宿で戦うと、宿の人に迷惑かけるからね。
外には数人の衛兵が集まっていた。
「貴様がモルペウス様を愚弄した女か!」
モルペウス‥?
「ごめんなさい。誰の事かわからないわ。」
「き、き、貴様!まだ愚弄するか!我が国の貴族であられるモルペウス様を卑怯な手で怪我をさせたくせにしらばっくれるつもりか!」
あ、あの人そんな名前だったのね。
でも名乗りもしなかっからわからないわよ。
「それでどうするつもり?」
「しれた事!おいっ!こいつを捕らえるぞ!」
男たちは一斉に腰につけていた物を手に取る。
あれって‥マルコイが言ってた銃よね?
確か集団で来る時には気をつけろって言ってたわよね‥
その時宿から遠く離れたところで爆発音が鳴り響く。
爆発音‥?
もしかして‥
男たちは爆発音が気になるようだか、それでもまだわたしを相手するようだ。
ジリジリと銃を構えたまま、睨み合いが続く。
するとまた、今度は数回の爆発が起きる。
「くっ!何が起こってるんだ!あれもお前の仕業かっ!ええい!かかれ!撃ち殺してしまえ!」
それは言いがかりだわ‥
まあわたしの仕業というか‥
たぶん‥
男たちが構えていた銃の引鉄に手をかける。
マルコイに聞いたけど、この銃をという武器は直線しか飛ばないそうだ。
かなりの速度で鉄でできた弾が飛んでくると言っていたが、軌道がわかれば躱すのは容易いと思う。
男たちが引鉄を引くと、小さな破裂音がして鉄で出来た弾が飛んできた。
数人の男たちが同時に撃った弾がわたしに向かって飛んでくる。
確かに速い。
だけど目で追えない速度じゃないし、あの鉄で出来た筒の方向を見ていれば躱す事は簡単だ。
でも確かにこれが見えない場所から攻撃されたら躱すのは難しいかもしれない‥
これが主流になれば、魔法が使えなくても誰でも遠距離から攻撃できてしまう。
人同士の戦争が変わって行くのかもしれないわね‥
まあそんな問題は偉い王様とかに任せればいいし、わたしは今できる事をしよう。
弾を躱して様子を見る。
「な、なんだとっ!火薬筒の玉を躱すだと!本当に化け物か!」
また化け物言われた‥
「ええい!皆下がれ!火薬球を使用するぞ!」
男たちは腰につけていた球のような物を取り出す。
何か危なそうね。
わたしはすぐに魔力を練る。
「投擲!」
男たちが持っていた球のような物を一斉に投げてきた。
用途がわからないので躱すのは危険だわ。
魔法で撃ち落とすのが1番ね。
「『火球』!」
男たちが投げた球に向かって魔法を放つ。
「なっ!魔法使いだと!た、退避!」
わたしが放った魔法と、男たちが投げた球がぶつかる。
2つが接触したと思ったら、物凄い音を立てて爆発が起こった!
魔法を放ったわたしは爆発から距離があったけど、それでも物凄い爆風と熱波が襲ってきた。
「な、なんなの一体‥」
「凄い爆発やったね‥これはマルコイさんは飛んでくるんやない?」
わ、わたしが悪いんじゃないわ!
だ、だってこんなに爆発するなんて思わなかったんだもん‥
アキーエは火傷して地面に転がる男たちを見ながらそう思った‥
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