第742話
俺は飛んできた弾をエンチャント:守護する者を発動したまま腕に受ける。
これだけ真っ直ぐに飛んでくる物だ。
【予測変換】を使わずとも躱す事は容易だ。
でもそれじゃ威力がわからないからな。
腕に当たった弾はチクッとした痛みを残して地面に落ちる。
ふむふむ。
尖った棒で少し押された程度のダメージだな。
このくらいならラケッツさんやイルケルさんに渡した鎧やアシュラ君で防げるかな‥
この銃をもらったら試してみよう。
あと俺が新しく威力を上げた銃を作ってラケッツさんたちに試すのも面白いかもしれない‥
う〜ん、一つは分解するだろ。
一つは改造するだろ。
もう一つは‥
「な、な、なんだよ‥なんで効かないんだよ!なんなんだよお前!」
あ、忘れてた。
その前にコイツらから銃を奪わないとな。
ふひひひひ。
「さあ!さっさとその銃をよこせぇぇぇェェっ!間違えたぁぁぁっ!これ以上ヨエクの好きにはさせないぞぉぉ!」
いかんいかん。
つい面白そうな物に出会ってしまったから、テンションが高くなってしまった。
「く、くそ。」
俺の前にいる男は急いで銃の弾を入れ替えている。
ほうほう。
あれが銃の弾か。
先が尖っているな‥
それに思ったよりも小さい。
やはり異世界の銃と一緒で貫通力や発射速度を上げるための加工をしているわけか。
独自でここまで銃の加工が進んでいるとはドワーフとはいえ、本当に頭が下がる。
それに弾に回転も加わってるようだ。
ジャイロ効果も取り入れているのだろう。
おそらくこれを作るための人たちがいるはずだ。
そこに乗り込んで資料を根こそぎ‥間違えた、お話しして教えてもらえるといいな。
「くそがっ!余裕見せやがって!死にやがれ。」
さて‥
俺の前にいる男は弾を詰めなおした銃を俺に向けて、すぐに引き金をひく。
そのまま弾が出るかと思ったが、男が持っている銃は弾を出す事なく男の手の中で爆発した。
男の手の中で大きな音を立てた銃は、男の手を血塗れにして地面に落ちた。
「うぎゃあぁっ!」
「ちっ!何をしてるんだお前は!」
俺はすぐに男に駆け寄る。
そして俺は『スペース』からポーションを取り出して男の手を治す。
「うっ‥」
「おい手は動くか?」
「ああ‥す、すまない‥」
「この銃の弾はまだ持ってるのか?」
「うあ‥ああ、まだ数発は残ってたはずだ‥くそっ、こんな不良品掴ませやがって!あの野郎‥」
「あの野郎?」
「ああ!コイツがあればどんな奴にも勝てるって言って俺たちに渡してきたんだ。そのかわりにここを通る奴を調べろと言ってきたんだ。」
「誰だそいつは?」
「確かシエブラとか言ってたはずだ。それが本当の名前かどうかはわからないけどな。」
シエブラ‥?
確か俺が祝勝会の時にテラスで会った奴がそんな名前だった気がする‥
「ところで弾はどこにあるんだ?」
「ああ。ここだ。」
男は懐から銃の弾を取り出した。
「すまないあんた‥こんな事をした俺を助けてくれるなんて、なんていい人なんだ。」
いや、そんな事ないぞ。
「しかしこんな弾をどうするんだ?銃がなければ使えないぞ。」
うんうん。
それもそんな事ないぞ。
だって銃はまだ2つも残ってるからな。
後ろの2人は俺が男を助けた事で警戒を解いているようだ。
「さて、それじゃあ‥」
「イェルンの家に行くのか?案内しようか?」
「いや大丈夫だ。あとお前たちは今までもこんな事をしてたんだよな?」
「ああ。雇った奴が金払いがいいもんでな。」
「だよな。だとしたらちゃんと罪は償わないとな。」
「へ?」
俺はその場に立ち上がり足を振り上げる。
「とうっ!」
俺は男の腹部に勢いよく足を振り下ろす。
「ぐぺっ!」
男は蹴られた勢いで独楽のように回転しながら壁にぶつかり、そのまま突き刺さる。
俺は振り返り、エンチャント:勇敢なる者を発動して後ろの2人の男に迫る!
さあ!
その手に持つ物をよこせえぇぇぇー!
----------------------------------------------------------------------
近況にも書いてますが、ブログ始めました。
遊びに来ていただけたら嬉しいです!修正している本編や、書いている時に考えてた事などを載せてます!
https://ogicon3777.com
〇読んでくださった方へ
よろしければ、星をポチッとしていただけると、とても嬉しいです。
今後の執筆のモチベーションにもつながりますので、ぜひよろしくお願いします~!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます