第739話
「キリーエ!よかった入ってこれたのね!」
「夜になったから、警備が少し減ったんよ。ただ夜でも異様なくらい衛兵が巡回しよったわ。」
何故だ?
何故アキーエは突然現れたキリーエと普通に会話してるんだ?
俺は心臓が止まるくらい驚いたというのに、何故普通によかった!とか言えるんだ‥
「お、おうキリーエ。」
俺は動悸がおさまらないまま何とかキリーエに声をかける。
「ごめんなマルコイさん。少し遅くなったわ。」
「いや、それは構わないけど‥」
「マルコイさんがアキーエちゃんを先に街に入れた時点で、マルコイさんが移動した後にうちが中に入る予定やったちゅうのはわかったんやけど‥なかなか警備が厳しくて‥」
「わたしもキリーエが遅くなってたから、中に入れなかったんだと思ったわよ。」
「ごめんごめん。」
いや、そんな予定のつまりなかったんですけど‥
それよりもキリーエが中に入るのに苦労した?
「そんなに警備が厳しかったのか?キリーエが難しいと感じるほどか?」
「そうやね。ヨエクのところにおるやつで1人別格がおるわ。あれに気づかれたらまずそうだから戻って来たんよ。」
ほうほう。
いや、キリーエさんや‥
いつの間に敵の本陣まで探ってるのかね?
しかしキリーエが気づかれるかもって言うのはヤバいな。
「お金の匂いがあんまりしなかったさかい、【並列思考】があんまり仕事しなかったのもあるんやけどね。」
あ、そうですか‥
確かにスキルは使う人の状態で変わるけど、そこまでかい。
「あとヨエクの近くにいた衛兵は、みんな筒状の鉄の棒みたいなんを持ってたわ。マルコイさんが昔人形に持たせてたやつに似てたみたいやけど‥」
そうか‥
やはり銃は持っていると考えた方がいいだろうな‥
あとアキーエの魔法で爆発したのが銃なのか爆弾なのか‥
しかし凄いな、俺は異世界の知識があったから形にする事ができたが、ドワーフは一から作り上げたのか‥
もしだ‥
もしもそんな物があるのなら‥
一つくらいもらえないかな‥
せっかくスキル【工芸士】を模倣したんだから、一目見て作れるかもしれないけど、できれば参考に貰いたい‥
もしかしたらマルコイ印の魔道具の飛躍的進化を望めるかもしれない。
もしそうなら、もっと強い武器を作ってラケッツさんで実験‥間違えた。
ラケッツさんをもっと強くできるかもしれない!
うわぁ。
楽しみ‥
おっと、いかんいかん。
ついラケッツさんの事ばかり考えてしまった。
もちろんイルケルさんにも実験を‥
違う違う。
王様の救出だった。
「キリーエ。ヨエクの所も警備がかなりいたのか?」
「ヨエクの所にはそんなおらへんやったけど、さっき言った別格の奴がおるから、見つからずに潜入するんは難しいと思うわ。」
前回この国に来た時は、そこまで強そうな人はいなかったと思うけど‥
ヨエクがこのために呼び寄せたってのも考えられるな‥
「あとわたしが宿を変わる時も監視がいたみたい。爆発した宿から外に出た時には、違う人がすでに見張ってたわ。さすがに鬱陶しかったから巻いて来たけどね。」
そうだな。
もしこの宿も爆発したら大変だしな‥
おっと、アキーエに睨まれた‥
「それでこれからどうするの?」
「そうだな‥」
やっぱりヨエクをぶっ飛ばすのが1番早いような気がす‥
「将軍ぶっ飛ばすのはなしよ。」
気がしたけど気のせいだったな‥
「王様を見つけて保護するのが先だろうな。その後は王様と一緒にプリカを脱出してもいいし、王様がよければそのままヨエクをぶっ飛ばしてもいいからな。」
王様の許可があればぶっ飛ばしてもいいだろ。
「そうね。何より王様を見つけるのが1番ね。」
「ああ。明日からアキーエはキリーエと行動してくれ。俺は単独で動いてみる。」
「わかったわ。」
「マルコイさん、ミミウたちはどうするん?」
「そうだな、野営は大変だけど何があるかわからないから待機してもらってた方がいいだろうな。」
できればどうにかしてミミウたちも街に入れた方がいいんだろうけど、多分収拾がつかないような気がする‥
ミミウのお腹が減ったら怖いから、時々キリーエにご飯を持って行ってもらう事にしよう‥
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