第735話

今回は急いでプリカに向かったので、2日でプリカの近くまで来る事が出来た。


ギルドから借りたジャイアントボア車が恵の回復魔法を受けながら頑張ってくれた。


プリカが見えてくると、城門前には国に入れない人でごった返していた。


どうやらヨエクが内乱を起こして王となったが、まだ完全に制圧したわけではないのか中に入る事を禁じられているようだった。


待機している商人たちを横目に俺たちは城門まで近づく。


そして馬車から降りて、城門にいる衛兵に声をかけた。


「すまないが、俺は獣人国の冒険者ギルドからの依頼でプリカの冒険者ギルドの確認に来た。中に入れてもらえないか?」


「ならんならん!今は誰が来ても中に入れるなとのお達しだ!」


ちっ。

やはりすんなりとは入れないか‥


「ですがお伝えしたようにわたしたちは冒険者ギルドからの依頼で来てますが?」


アキーエが馬車から降りてきて、俺のフォローをしてくれた。

しかし誰でも通すなと言われているからな‥

何か別の方法を考えるべきか‥?


「わたしたちが所属している冒険者ギルドは中立になります。その冒険者ギルドからわたしたちAランクパーティの冒険者が直接依頼を受けて来たのですが?これがこの国の意向とするのであれば、トールルズは冒険者ギルドを不要とされるわけですね?そうなれば冒険者ギルドはトールルズから撤退します。もしモンスターが出たとしても、トールルズの兵だけで戦う事になりますがよろしいのですか?」


おおう!

ア、アキーエさんや‥

俺たちってそんな凄い立場なんですかね?


ただちょっと見てきてと言われただけのような気がしますけど‥


「う、うむ。しばし待つが良い‥」


衛兵は他の人に何か言った後に城門の中に入って行った。


「全く。わたしたちは冒険者ギルドの代行として来ているのに、門兵に返される言われはないわ。もし中に入れないって事になったら冒険者ギルドと敵対する事になるから流石にあの馬鹿将軍でもその判断はしないでしょ。」


そ、そうなのかなぁ‥?


「マルコイ‥わたしたちは獣人国のギルドマスターから指名依頼を受けてここに来てるのよ。この場のわたしたちの判断はそのままギルドマスターに報告されるの。わたしたちがこの国は冒険者ギルドを必要としていないと報告したら、その通りになるわよ。」


そ、そんな大役を受けてたわけですね。

少し見てくるだけという口実を作るためだけの依頼かと思ってました‥


しばらく待っていると先ほどの衛兵が戻ってきた。


「中に入る事を許可する。しかし全員はダメだ!代表で1名入るがいい。」


なに?

だとしたら俺が入るべきだろう。


「わかっ‥」


「それならわたしが入るわ。案内してくれるかしら?」


アキーエ?


「わたしが中に入ればマルコイはわたしが持ってる魔道具で転移出来るでしょ。」


アキーエは俺に小声でそう伝える。


なるほど。

それだと俺とアキーエで行動できるな。


「はいはーい!私行きたいです!」


なぬ?


「おいおい恵。これはかなり危険な仕事だ。アキーエだから任せられるが、お前じゃ自衛する術がない。俺が転移して向かうにしても昼間は目立つから夜になると思う。それまで1人にするにはお前はまだ弱すぎる。」


「う〜‥で、でもマルコイさんが来るまで隠れとくか、宿に居ればいいんじゃないですか?」


「お前は何をしに行くつもりなんだ?ギルドを調べに行くとか、それらしい動きをしておかないと怪しまれるだろうが。」


「そ、そうですけど‥」


まったく‥

遊びじゃないんだ。


そんな軽いノリで来るのは危険すぎる。


「で、でも‥マルコイさんが転移して来るなら2人きり‥」


何をごにょごにょ言ってるんだコイツは?


「恵ちゃん‥」


「アキーエも恵を説得してくれ。」


アキーエは恵の前に立つ。


恵はアキーエを警戒してか、やや後退りする。


「恵ちゃん‥マルコイと2人で行動するのはそんな簡単な事じゃないのよ。マルコイはね‥恵ちゃんが思っている100倍は常識外れなのよ!」


おい‥






----------------------------------------------------------------------

近況にも書いてますが、ブログ始めました。

遊びに来ていただけたら嬉しいです!修正している本編や、書いている時に考えてた事などを載せてます!

https://ogicon3777.com


〇読んでくださった方へ

よろしければ、星をポチッとしていただけると、とても嬉しいです。

今後の執筆のモチベーションにもつながりますので、ぜひよろしくお願いします~!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る