第700話
「ぐ、ぐあ‥な、なんなのだこの人形は‥」
爆発に巻き込まれてダメージを受けている魔族。
ほほう。
爆発で結構ダメージを受けてるな。
ならもう少し追加してやる。
俺は時空魔法で宙に階段を作り、上空に駆け上がる。
そして魔族たちの上空にきたところで、『スペース』を使用する。
中から次に取り出したるは、木偶爆弾たちだ。
俺は保管していた木偶爆弾を上から放り投げる。
木偶爆弾たちは落下して何かにぶつかると同時に大爆発を起こす。
「ぐあぁぁぁ!」
爆弾は連鎖して次々と爆発を起こす。
ふはははは。
アキーエに手を出そうとした事を後悔するがよい。
他にも投げる物がないか『スペース』を漁っていると、作りかけの爆弾やゴーレム、壺のような物が入っていたので、まとめて上空から落とす。
たとえ爆発しなくても落下物なら苦しかろう。
次々と魔族に当たりその度に「ぐわぁ」などの声が聞こえる。
そしてよく見ると真っ白に染まった魔族もいる。
あれ?
あれは何に当たったやつだ?
よく見ると白くなった魔族の近くには壺が落ちていた。
あ、そっか。
あの壺にはタルタルが入ってるんだった‥
魔道具かと思った投げたら食品だったか‥
「ぐ、ぐわぁ!め、目がっ!」
うむ。
苦しんでいるようだから、これはこれでいいとしよう。
タルタルソース爆弾だな。
今度正式に爆弾として作ってみるか‥
爆発したらタルタルが飛び散るとか‥
ミミウとか喜びそうだな。
はっ!
タルタルソースの兵器化なんてフーラさんに怒られてしまいそうだ。
いや、それはそれで喜ぶのだろうか‥
「タルタルを世に知らしめるためには必要なものです。」とか言いそうで怖い。
ある程度爆発も収まったので、地面に降りる。
爆発によって起こった煙が徐々に晴れていく。
煙が消えた時には、目の前には魔族が1人ボロボロになって立っていた。
「な、なんだのだこれは‥何が起こったのだ‥」
必殺木偶攻撃だな。
しかし魔族1人倒すのに木偶人形1,000体も使うのは効率が悪いような気がするけど。
今回はアキーエに手を出そうなんて思ったコイツが悪い。
そう思いアキーエ見る。
アキーエは‥
近くで起こった爆発のせいで、全身ほこりまみれになっていた‥
「マルコイ‥戦いが終わったら、ちょっと話があるわ‥」
な、なんて事だ‥
ま、魔族に勝てたとしても、敗北必至の戦いが確定してしまった‥
「き、貴様何者だ?女にも驚いたが、貴様はそれを遥かに上回っている‥どうせ勇者ではあるまい?女神に縁のあるものか?」
ここまでやってるからな、今更隠してもしょうがないか。
「そうだ。勇者ではないけど、一応女神の使徒ってところだな。」
七色に光るタルタルソース好きのお馬鹿女神の使徒だ。
「やはりそうか‥」
「ああ。スキル【勇者】は持ってないけどな。」
「ふん。勇者ではなかったとしても魔族としては脅威だな。本来の身体ではないといえ、魔王をここまで追い詰めるとはな‥敵は勇者だけと思っていたが、貴様のような奴が隠れているとは思わなかったぞ。」
別に隠れてたつもりはないんだけどな。
あまり目立ちたくなかったというか‥
まあこの魔族もここで倒してしまったら、魔王にバレる事はないだろう。
今まで通り裏で勇者のサポートをさせてもら‥
‥‥‥‥ま、魔王‥?
「お前今魔王とか言わなかったか?」
「ふん!今さら何を言っている。我が名は魔王ジェズアルド。魔族を束ねる者よ。」
な、なんですって‥
で、でも魔王なら今から正人たち呼んできて、ここで倒してしまえば‥
「まあ今はスキルで俺の血縁者に身体を借りている状態だがな。」
だめかぁ!
「本来は少し戦ってデュワインの逃走を助けてやるつもりだったが無理そうだな‥まあいい。今回は貴様とその女の存在がわかっただけでも成果はあった。」
そうだった。
魔王は明確に俺の敵に認定されたんだった。
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