第664話
と、とりあえずミミウはほっといて大丈夫と思う。
わたしは周りにいるアンデッドを殴り倒す。
普通に殴っても骨が折れたり、肉が削げたりするだけで効果ないわね。
ちょっとわたしが気持ち悪くて、ダメージを受けてるだけだわ‥
「『炎よ!』」
拳に火を纏わせてアンデッドを殴る。
アンデッドの殴った部分が炎に包まれる。
その部分は焦げ落ちた。
魔法は効くみたいね‥
でも炎に包まれた所はその部分だけ焼け焦げただけで、他の部分にはあまり影響がない。
動かないはずの身体を無理矢理動かして活動している。
アンデッドの動きが鈍ければいいんだけど、動かしても痛みがないためか動き自体は素早い。
さすがに全てのアンデッドを相手することはできないから、一緒にきた冒険者の人たちも戦いを始めてる。
バラックスさんは変わらず楽しそうに戦ってるけど、ボヤンさんもドワーフらしく斧で‥じゃなくて弓で遠距離から攻撃してる。
あの筋肉で弓なのは少しおかしい気がするけど、自分で作ったのか、連弩式の弩を使っている。
かなり大きなサイズで地面に設置してから使っている。
あのサイズの連弩が馬車に入ってたように見えなかったから、こっちに来て組み立てたんだろう。
それに矢も工夫されているようで、矢が刺さったところが燃えている。
爆炎ってわけじゃないけど、連弩でモンスターにたくさんの矢が刺さってるんだけど、その一本一本から火が出ている。
それに近寄って来たモンスターには、腕に装着している連弩で対応している。
凄いわね、ドワーフの技術って。
多分マルコイだったら喜んで飛びついてるわね‥
何でだろう‥
連続で爆弾が飛んでいく装置が頭に浮かんだわ‥
これってマルコイに伝えたら作りそうよね。
これはわたしの心の中にそっとしまっておこう。
さすがにイザベラさんが選んだ冒険者だけあって、アンデッドを大きな被害なく退けてるわね。
わたしも一緒にモンスターを相手する。
ただアンデッドはいいんだけど、生きてるモンスター相手にするのは気を使うわね‥
倒したらアンデッド化するから、なるべく倒さないようにしたいんだけど、高ランクモンスターだからそうも言ってられない。
モンスターが倒され、アンデッド化するたびにミミウの「ああ!牛さんが!」みたいな声が聞こえてくるので気になって仕方ない。
でも今はミミウのお肉よりも、人命救助が先なので我慢してほしい。
怒りは全て魔族に向けていいからね。
その頃リルはジャレドと呼ばれた魔族と対峙していた。
「剣神リルとこうやって対峙出来るとは思わなかったぜ。ここでお前に勝てば、俺が剣士として最強って事だろ?面白え。」
「リルは最強じゃない。リルより強いやついる。リルはマルコイ倒すのが目標」
「んあ?マルコイ?そんな奴がいるのか?面白えな。だけどその目標も今日で終わりだ。俺と戦って負けるからな。」
「リルはお前なんかに負けない」
「俺はどんな手を使っても勝ってきたからな。お前も俺に倒されるんだよ!」
ジャレドはリルに向かって駆け出した。
ジャレドの上段からの斬り下ろしを放つ。
リルは横に滑るように剣撃を躱す。
そのままジャレドは振り下ろした剣を力で無理矢理軌道を変えて横に払う。
リルは剣を使い、剣撃を受け止める。
その衝撃でリルは後方に飛ばされるが、力を逃し地面にふわりと着地する。
着地したリルを狙ってジャレドが追撃をかける。
ジャレドは剣を胸元に構え、3連の突きを放つ。
リルは2連を避け、最後の突きを剣で防ぎ、先程と同じように後方に跳ぶ。
「まあこれくらいは防ぐわな。だがこっからだぜ。」
ジャレドは再度リルに迫り上段からの剣を放つ。
リルが後方に退がったのを見て、ジャレドが‥
剣を手放した。
剣はリルに向かい飛んで来る。
リルが横に躱すと、ジャレドは投げた剣と同じ剣で横薙ぎの攻撃を放った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます