第630話
(ピコーンッ)
『スキル【模倣】が発現しました。スキル【賢者】【属性魔法:地水火風】【異世界の知識】を模倣しました。スキル【異世界の知識】は模倣しています。模倣しているスキルに不足している物があったため、補足します。』
スキル【異世界の知識】で卓の得た情報を模倣する。
流石此方の世界に来るための準備をしていただけはあるな。
此方の世界でも役に立ちそうな情報がかなりある。
まあ主に武器や兵器の知識だけどな。
ミミウさんはあまり喜びそうな情報じゃないみたいだ。
『スキル【賢者】を確認しました。スキル【勇者】【聖騎士】【聖人】を使用して統合スキル【エレメントナイト】を昇華します。』
なぬ?
『スキル【エレメントナイト】にスキル【勇者】【聖騎士】【賢者】【聖人】を統合します。スキル【カルマカンカァ】に昇華しました。』
スキルの内容が頭に入ってくると同時に、身体を蝕む激痛。
息が出来なくなる程の痛みに悶絶する。
『スキル【カルマカンカァ】を使用するための魔力が足りません。使用者の魔力を強制上昇させます‥‥‥‥‥完了しました。』
激痛が収まってきた‥
一瞬の出来事だったが、身体が引き裂かれるかと思った。
身体の中の全ての血管が2つに分かれてしまったかのようだった‥
しかし頭の中に響く声が言っている意味がわかる。
身体を流れる魔力量が違う‥
魔力量が大幅に上昇した事がわかる。
今までの軽く2倍はあるんじゃないのか‥?
おそらく魔力供給しなくても、スキル【エレメントナイト】のエンチャントの三段階目まで届きそうだ。
いくら必要があったとはいえ、無理矢理に魔力量を上げるとは‥
ありがたいけど、痛みが酷すぎるぞ。
女神様よ‥
タルタルは辛さ増し増しにしておくからな!
スキル【カルマカンカァ】ね‥
なるほど。
エンチャントはまだ使えるようだ。
しかし今まで使っていた四元素のエンチャントではない。
試しに発動させてみる。
「『エンチャント:勇敢なる者』」
エンチャントを発動すると、身体能力が大幅に上昇したのがわかる。
今までの四元素を使って身体能力を上げるのではなく、正人たちのスキル【勇者】などを身体に纏うと言った方が正しそうだ。
そして『エンチャント:勇敢なる者』は勇者と一緒で常時光属性を扱う事ができるようだ。
強さを得られた事も大事だが、これなら魔族と戦うための魔道具も作成できる‥
こんな身近に答えがあったとはな。
「卓、ありがとうな。卓のおかげで考えていた魔道具を作る事が出来そうだ。」
「な、なんですと!そ、それは素晴らし過ぎるのでは!ぜ、ぜひ拝見させていただけないでしょうか!」
「それは別に構わないけど、作った魔道具の実験なんかを手伝ってもらうぞ。」
「ふおーっ!よいのですか?僕なんぞがマルコイ様が作った新しい魔道具の実験なんぞしても!?是非!是非お願いします!」
おお。
思わぬ所で獣人国2人目の被験者をゲットだ。
獣人国の被験者は素直なのがいい。
こっちの要求に何も言わずに従ってくれるからな。
それはそれで助かるのだが‥
それでもラケッツさんに実験してもらいたいのは何故だろう‥?
スキル【カルマカンカァ】を手に入れたので、早速魔族と戦う事ができる魔道具を作成していこう。
ホット商会のダマスカス鋼で作ってある剣に光属性を付加していく。
魔力量の増加とエンチャント:勇敢なる者のおかげでスムーズに付加をする事ができる。
数本の剣に光属性を付加を行う事ができた。
それでも魔力にはまだ余裕がある。
これを続ける事で、かなりの人数に光属性が付加した剣を渡す事が出来る。
これで一応完成ではあるのだが‥
問題がいくつか出てきた。
一つ目が光属性を付加したのは剣だが、剣を扱える人ばかりではないと言う事。
そして二つ目が剣が折れた時に戦えなくなってしまう事だ。
一つ目については槍や斧に光属性を付加すればいいだろう。
最悪扱えない人に関しては投げても武器にはなるだろう。
しかし二つ目に関しては折れたら前線から下がらなければいけない。
それに武器を新調したとしても、それには光属性が付加されていないので再度前線に上がることはできない。
何かいい手がないものか‥
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