第565話
「舐めてんのかテメー!突然横から割り込んできたと思ったら能天気に話しやがって!」
随分と気の短い人ですね。
「おいおい、やめとけお前ら。こいつはこう見えてAランク冒険者だぞ。それにもうすぐSランクに上がるかもしれないんだ。」
え?
そうなの?
初めて聞いたんだけど‥?
「あ?それがどうした?俺たちは今まで苦戦らしい苦戦はしてきてないんだぜ。もしかしたら実力的にはSランクかもしれないんだ。たかがAランクにビビるわけがねえだろうが!」
う〜ん。
相手の実力を考察するのは必要不可欠なんだけどな‥
相手が自分より強いと認識したら、逃げる事を最優先して考えないといけないのに‥
まあバーントに喧嘩売ってたやつらだ。
Aランクって言われてもピンとこないんだろうな。
「おっさんどうしたらいい?この場で収めてもいいが、練習場とかで話し合いしてもいいぞ。」
「本当か!そりゃ助かる。こいつら実力と将来性はあるが、少々調子に乗っててな。」
そうだろうな‥
やりとり聞いててもはっきり分かるぞ。
「おもしれえ!こいつ倒したら俺らがAランク冒険者ってとこか?さっそく案内しろや!」
どこにでもいるもんだな、こんなやつ。
そういえばカーロッタでもあったな‥
「マルコイ本当にいいのか?こっちは助かるけど。あと一応将来性のある冒険者だから、ある程度痛めつけるくらいで許してやってくれよ。」
大変だな冒険者の受付係ってのも。
しかし痛めつける以上何をすると思ってんだよ‥
まあ心はポッキリ折りますけど。
バーントに案内され、王都ギルドの練習場に着いた。
「おい!Aランク冒険者さんよ!用意はいいか?まずは俺から‥」
「わかったわかった。お前らみたいのはどいつも同じ事いうんだな。いいからまとめてかかってこいよ。」
絡んできた冒険者は4人パーティだ。
どれも前衛のようだが、脳筋パーティか?
「テ、テメー!おい!やっちまうぞ!」
4人がまとめてかかってきた。
しかし‥
やっぱり遅いね。
これだと、オーガ相手だと苦労するだろうな。
そして張り切って自分たちの装備で斬りつけてくる。
おいおい。
一応模擬戦なんだけどな‥
しかしこれだけ遅いとスキルが使い放題だな。
俺はさっそくスキル【魔眼】を使い、最初に斬りかかってきたやつの剣に視線をやる。
なるほど‥
しっかりと見ると剣の根元がぼやけて見える。
これが弱点ってとこか。
俺は振り下ろしてきた男の剣に、自分の剣を払うように合わせる。
すると大した力も入れてないのに、男の剣が根元から折れる。
「なっ!俺の剣が!くそ高かったのに!」
知らんがな。
俺は折れた剣を見つめている男の腹に蹴りを入れる。
男はそのまま地面に突っ伏して嘔吐する。
ふむ。
駄目だよ、剣が折れたくらいで呆然としてちゃ。
倒れた男の後ろから、別の男が星球武器を俺に向かい横薙ぎに振るってきた。
この武器はどうかな?
星型の鉄球の中央辺りがぼやけて見える。
そこに剣の切っ先を合わせる。
すると鉄球が剣に当たった後に砕け散った。
「なっ!馬鹿な!あんな剣に砕かれるだと!?」
お前も武器の手入れしてないだろ?
それにお前の使ってる武器がいくら星球武器だとはいえ、俺の武器はミスリルが入ってる武器なんだぞ。
切っ先を向けた後に、剣が折れたらどうしようと少し焦ったけど、思い知ったか!
俺は砕かれた星球武器の持ち手を持ったままの男の顔面を剣の腹で殴る。
ふむ。
少し焦ったから、痛い目見せてやったぜ。
後は‥
槍士と剣士か。
2人の武器をしっかりと見る。
槍の方は穂と柄の繋ぎ目、口金のところかな‥そこがぼやけて見える。
もう1人の男の剣はいくら見てもぼやける箇所が見えない。
しっかりと手入れしてあるのか、真新しい武器なのか。
どっちかわからないけど‥
ここまできたらねえ‥
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