第563話
全員でセイウットに入る。
ギルドカードを提示すると、門番の人が急に畏まる。
「ぼ、冒険者ランクAのお方でしたか!どうぞ!」
久しぶりに言われたからびっくりした。
みんなギルドカードを作っていたので問題なく通る。
「お嬢ちゃんは冒険者ランクEか。頑張ってな。」
「ん。がんばる。」
リルも作ったからな。
あれ?
そういえばリルのギルドカード見てないな‥
「リル。ちょっとだけギルドカードを見せてもらってもいいか?」
「フシャーッ!」
うむ。
噛みつかれそうだな‥
「アキーエ。ちょっとリルのギルドカード見せてもらっていいか?」
「わかったわ。リル、ギルドカード見せてもらってもいい?」
「ん。」
懐いてる‥
何か釈然としない‥
アキーエからリルのギルドカードを受け取り確認する。
リル
冒険者ランク:E
スキル【刀神士Lv.2】【魔眼Lv.4】
魔族にしてはダブルスキルなので少ない方なんだろう。
しかし【刀神士】って‥
もうスキル名の中に神なんて文字が入ってる時点でとんでもないスキルなんだろうなとは思うぞ。
あとは【魔眼】もかなりやばそうだ。
「アキーエ。宿を決めたらスキルを模倣したいから、手伝ってもらっていいか?」
「いいけど‥話できるんだから、直接リルとすればいいんじゃないの?」
俺とは話ができないんですよ。
「フシャーッ!」
ほら目が合ったら威嚇されるし‥
スキル【刀神士】については【剣士】の派生進化と思うから模倣は出来ないかもしれないけど、【魔眼】については模倣できそうだ。
ただスキル名から、無闇に模倣していいのか迷ってしまうスキルだからな。
スキル効果をリルに確認してからの方がいいだろう。
俺たちは王都での宿をとり、数日王都で休む事にした。
部屋のドアを叩く音がする。
「マルコイいる?リル連れてきたわよ。」
「ああ。大丈夫だ。入ってくれ。」
部屋をとってからしばらくしてアキーエがリルを連れて部屋に来てくれた。
部屋は4部屋とっておりアキーエ、ミミウ、キリーエ、アレカンドロ、リル。
それと正人、卓。
そしてあやめと恵が同じ部屋だ。
ちなみに俺は1人部屋だ。
俺は正人たちと同じ部屋でもよかったけど、卓が夜寝れなくなりそうだとの事で俺だけになった。
少し寂しい‥
「えっとアキーエ。リルにスキルの効果を教えてもらっていいか?」
「わかったわ。ねえリル。リルが持ってるスキルの効果を教えてもらってもいい?」
リルは少し考えた後にアキーエに話始める。
「ん。アキーエならいい。ほんとはおじいちゃんに人に教えたらダメいわれてた。【刀神士】はリルのおじいちゃんが得たスキルで、どうやったらレベルがあがるか教えてもらった。だからリルは子どもの頃からスキルのレベルが高かった。」
なるほど‥
実際スキルはどうやったらレベルが上がるのか正確にはわかっていない。
おそらくスキルを使い続ければレベルが上がるだろうと思われているだけだ。
実際に俺もレベルを上げるためにスキルを使うことを心がけている。
しかしその行為の中に無駄な事があるのは確かだろう。
もしそれが、より効率の良い方法で鍛える事ができるのなら‥
人の何倍もの速さでスキルレベルを上げる事もできるだろう。
【刀神士】がどれほどのスキルかわからないが、リルの剣技を見ればそれはわかる。
「それじゃあもう一つのスキルは?」
「えっと‥【魔眼】はよくわからない。でも【魔眼】を使うと、あいてのここを斬れっておしえてくれる。」
そりゃすごい。
相手の弱点がわかるのか?
「それはどんな相手もか?例えば生き物じゃなかったとしてもわかるのか?」
「フシャーッ!」
あ、ごめんごめん。
「ねえリル。それはどんな見えた方をして、どんな物にも見えるの?」
「ん。あいてが強いと見えにくい。マルコイは見えなかった。でもここがいいってのは何となくわかる。あと岩とかはみんな見える。」
なんだその素晴らしい過ぎるスキルは‥?
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