第562話

セイルズから船に乗り、アースンに着いた。


めぐみ念願のホットモールに着いたので、今回は1日だけ滞在して自由に見てもらった。


まあホットモールは複合施設とはいえ、1日あれば充分周り切れる施設だったので、翌日には旅立つ事ができた。


次の目的地はカーロッタだ。


少しだけ寄り道する形にはなるけど、村を出る時に帰りも寄ると伝えていたので少しだけ立ち寄る事にしたのだ。


村に近づくにつれて行き交う人が多くなってきた。


行きに寄った時は街道にここまでの人通りはなかったので、村おこしが上手くできているみたいだった。


村に着くと、確かに前回よりも少し人が多くなっていた。


お土産の商品なんかを充実させた事がよかったんだろう。


それでも一時的な物だろうけど。


俺がまた闘技会にでれば話は違ってくるんだけどうけど、俺は出るつもりないし。


アレカンドロなんかは出たがると思うけど。


何か他に村おこし的な何かがあればいいんだろうけどな。


ギバスさんやナーシャさんに挨拶をして、その日はカーロッタに滞在した。


ギバスさんが俺が勇者と一緒にいる事に驚いていたが、お前なら魔王討伐の手伝いができると思うから、

勇者を手伝って魔王討伐をがんばれと言われてしまった。


そうか。

今度は魔王討伐をすれば、また村に名物が増える事になるのか‥


勇者を魔王討伐に導いた男の生まれた地とか?


父さんやマージス兄さんは逞しいので、言わなくても村おこしとして取り上げるだろうな。


アキーエの実家の宿に泊まり、次の日には出発する事にした。


アキーエやミミウも親しい人たちと久しぶりに話せてよかったみたいだな。


さて次は王都セイウットだな。


次の目的地に向かって歩みを進めた。






王都までの道のりはモンスターを退治しながら進んだ。


やはり魔王復活のせいでモンスターが活動的になってるみたいで、普段見ないようなモンスターも出てきた。


モンスターは基本的に経験を得るために、勇者パーティで倒してもらった。


俺たちパーティは見学だ。


リルが勇者を見て、剣の扱い方を教えていた。

リルの剣は片刃なので、少し取り扱いが違うが体捌きなどを教えているようだ。


多分剣の扱いについてはこの世界でも最強レベルと思うからな。

あやめについてはミミウ、恵と卓にはアキーエがついて教えていた。


俺は‥

【スードウクリエイター】で鳥を作ったりしていた‥


べ、別に暇だったから作っていたのではなく、周辺の偵察をするつもりで鳥を作ったんだ。


羽根が開くようになっていて、上手くできたと思う。


それに【アバター】で意識を移して、周りで何か起こってないか調べていたのだ。


決して暇だったからではない‥


そして何事もなく、王都セイウットに着く事が出来た。


俺の索敵が優秀だったからだな。

うん‥


久しぶりに見る王都の城壁にリルが驚いている。


「ふぁ‥おおきい。」


「ん?リルは城壁のある所に行った事ないのか?」


「フシャーッ!リルがおぼえているの村だけ。おおきなとこいった気がするけど、こんなにおおきなのなかった。」


そうなのか。


多分魔王が住む場所か、『あのお方』がいる所には連れて行かれたはずだけどな‥


元々魔族以外の種族がいる国の城壁は、モンスターや他国に攻められた時の事を考えて作っている。

だが魔族はモンスターを操る事ができるから、その辺を警戒する必要がないのか?


しかし他国から攻められる事は‥

魔族の数がそこまで多くないから、魔族同士で争う事がないのだろうか‥?


それなら遠方から爆弾を飛ばせばいいのか?

しかし魔族の中にもリルみたいなやつがいるかも知れないしな‥

なかなか思い通りにはいかないものだ。


新たに仲間になったリルを見る。


「フシャーッ!」


ふむ。

投げてもいいの‥かな‥

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