第497話
今回の収穫は神聖国の騎士2人のアフロだ。
本当はもっとアフロりたかったのだが、あやめのランスの一撃が正確にアフロ製造機1号の人工核を貫きやがった。
全く、お前は誰の味方だと言うのだ。
まあいい。
他にも沢山の催し物を用意しているので、楽しんでもらわなければ。
次は地味な奴を仕掛けている。
この地味な罠を使う事でイライラさせて注意力を失わさせて、次からの罠にかかり易くしてやろうというわけだ。
まあ罠といっても怪我させるわけにはいかないので、爆発物とか派手なのは使用できないけどね。
正人たちが罠のある部屋に入った。
あの部屋は足元に泥を流し込んで、固める事で入ってきた人たちの足元の装備を脱がせるのが目的だ。
案の定、正人たちの足元が固まった。
それを間近に見に来ていた俺も固まった。
このままではやばい‥
俺は正人たちが部屋を抜けたのを見計らって、エンチャント:土塊を使い、スライムの身体を硬くする。
そしてエンチャント:爆炎を使って身体能力を上げて固まった泥を無理矢理ぶち壊して脱出した。
ちょっと大きめの音がしたけど、何とか出る事ができた。
この音も勇者たちの今の心境なら、驚かせる事ができたと前向きに考えよう。
次の罠を覗きに行く。
全員が足の指を抱えて蹲っている。
よかった上手く発動したようだな。
俺の『足の小指って、意識してない時に打ったら物凄く痛いよね!』略して箪笥の小指トラップだ。
意識の外から来る痛みってのは、思っている以上のダメージを喰らう。
神聖国の騎士が痛がって文句言ってるけど、刃物だったらお前らの足切れてるからな。
うるさいから、もう一回仕掛けてやる。
歩き出した時に、もう一度トラップが発動する。
何人か避けるかなと思ったら、避けれたのはあやめだけだった。
大丈夫か神聖国?
そして残念だけど、避けたあやめさんにもプレゼントをしてあげよう。
俺はスライムの身体を壁にくっつける。
そしてスキル【スードウクリエイター】を発動する。
狙いは箪笥の小指トラップを避けたあやめのお脛様です。
あやめの足元の少し先から1センチくらい幅の土を壁から削りながら集めていく。
そしたらあやめの足元に着く頃には、見事に脛を強打する土の棒の完成だ。
「いたっ!」
うひひひひ。
あやめのお脛様はいただいた。
勇者たち御一行は混乱している。
いかん。
自分でした事だけど、笑ってしまう。
さて、遊びはこれくらいにして他のトラップにも引っかかってもらわないと。
それ以降も様々な罠を仕掛けていたが、見事に全部引っかかってくれました。
まあ探索なんて行く事のないような神聖国の騎士と、平和の国からやってきた勇者ならそうなるよね。
通路の片側に泥の沼を設置して、沼とは逆側を歩いている時に壁を急に迫り出させたり、落とし穴が落ちたらベトベトしてたり。
神聖国の騎士は泥の沼に毒があると思い込んで、自分たちが持ってきた聖水を振りかけてたけど‥
まあ聖水って言っても、何の効果もない水だったけどね。
毒も仕掛けてないし。
勝手に気分悪くなってみたいだけど。
他にも沢山の罠に引っかかり、皆さん心身共にぼろぼろになってくれました。
正人とあやめに関しては、少し可哀想な気もするが、これからこの世界で生きていく事になるのであれば、このくらいの事は経験してもらわないとな。
心を鬼にして楽しんでいるのだよ。
俺が。
そんな事をしてる間に彼らは最下層まで辿り着いた。
最下層は2つの罠になっている。
1つは罠というよりも勇者と神聖国の騎士を別れさせる罠になっているから、実質これが最後の罠だな。
しかし!
普段でもこんなところまで来れると思わない事だな!
ないとは思うが、また神聖国から来たりでもしたら、2度と太陽を見る事は叶わぬと思うがよい。
ガハハハ。
さて‥
正人たちが部屋に入る。
さて、今度の部屋ではどんな姿を見せてくれるかな?
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