第494話

クワイスから吉報が入った。


神聖国の騎士と勇者が2人『アウローラ』の拠点に来たそうだ。


俺は最終調整で遺跡に潜っていたので気づかなかったけど、多分来るだろうなと思ってクワイスたちには事前に台詞合わせとかしてたから問題なかったみたいだ。



よし!

これで俺の作った楽しい遺跡パークで遊んでもらえるぞ!


あ、間違った。

正人たち勇者を説得する時間が稼げるぞ。



クワイスの話からすると、此処に来たのは正人とあやめのようだった。

だとしたら怪我をしたのは恵だったのだろうか?

それに勇者パーティの賢者はどうだったのだろうか?

あやめの話から推測して洗脳されているのでは?と思ったが、魔道具で無事に正気に戻す事ができたのだろうか?


聞きたい事がたくさんあるが、今はあいつらが怪しまれずに神聖国の騎士と別れて、俺と話す時間を作る必要がある。


正人たちは次の日には遺跡に来ると言うことだったから、俺は慌てて最終調整を行った。


後はここまでの道案内をする予定のラケッツに念のために、上級ポーションを2本渡した。


あくまで自分たちが怪我した時に使うように渡したつもりだけど、のほほんとした世界から来たあいつらの事だ、もしかしたら付き添いの騎士に使うかもな。


今回の神聖国の騎士については勇者が一緒だから、残念ながら死んでもらうわけないはいかない。


怪我はしないと思うけど、もし騎士に使うならそれでもいいか。

当遊具場は安全に気を配っておりますが、万が一お怪我などをされた場合はご遠慮なくお使いくださいってか。



しかし困った事に、こっちに来た勇者が2人なのがな‥


4人全員だったらそのまま勇者一行だけ拐って、神聖国の騎士を皆殺しにすればよかったんだけど、今回それをしてしまうと残る2人を拐うのが困難になる。

無理矢理拐ってもいいけど、面倒な事になりそうだしな。

できれば勇者たちが自主的に出て行った体にしたいんだよね。


なぜって?

神聖国と関わりたくないからです。


何故か特に最近になって神聖国と関わり合いたくない気持ちが強いんだよね。


勇者のために助力はしたけど、勇者がいなかったら帝国に手を貸してもいいくらいだったし。


なんでこんなに神聖国の騎士にイライラするのかわからないけどね。





まあとりあえず今後の事は遺跡の最下層まで来てもらって、あやめたちと話をしてから決めるとしよう。


さっそく勇者たちは遺跡の中に入って行った。



さて、ここからは深く物事は考えずにシンプルに楽しもうじゃないか。


『アウローラ』の保有する遺跡改め、脱出できるかな?ドキドキワクワク巨大迷路!を楽しんでもらわなければ。



個性豊かなモンスターやドキドキするような罠が盛り沢山!


ただ貴方に楽しんで欲しかった!


そんな夢の国に貴方もどうぞ。




いかんいかん。

そうじゃなかった、つい目的忘れてしまうとこだった。


正人たちが中に入って行ったので、様子を見に行かないと。


俺はさっそくスキルを使って正人たちの後を追う事にした。


せっかく遺跡を作ったのに、楽しんでいる姿をその場で見れないのは残念だからな。


先日の慰労会で、得る事ができた新しいスキルを使用する事にするか。






慰労会でフーラさんから逃げた後も慰労会は滞りなく執り行われた。


料理もお酒も美味しいし楽しい。

だが俺の目的は今回の魔道具の使用した後の感想を聞くのが目的だ。


爆弾関係はいいとして、特注で作った魔道具の事を聞いておきたい。


スネタさんは早めに話す事ができたので、感想を聞いたら、できれば爆発させる間隔をもう少し短くして欲しいとの事だった。


確かにかなりの時間がかかっていたから、魔力回路を増やすなどの改造が必要になるだろう。


「マルコイさん‥こんな素晴らしい魔道具をありがとうございます。こんな唯一無二の魔道具をいただいたら、私はどうお返しをしたらいいでしょう?そうだ!私をお嫁にもらっていただけたら‥あっ!マルコイさん待ってー!」


うん。

危険な香りがしたので、全力で逃げる事にした。


逃げた先でラケッツさんを発見した。

今回俺が1番話を聞きたかったのはラケッツさんなんだよね。

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