第482話
俺の身体くらいの大きさのお好み焼きが焼けている。
しかしお好み焼きという料理は裏面を焼いた後にひっくり返す工程がいる。
たとえ巨人でも、このお好み焼きをひっくり返す事はできないだろう。
巨人がでっかいヘラもって3人くらいならひっくり返るかな‥?
とりあえずこれをどうするかと言うと‥
スキルを使ってひっくり返すのだよ。
まずはお好み焼きを『スクレイプ』を使って鉄板から上空に引っ張り上げる。
その下に【時空魔法】で空気の壁を作り、その上にお好み焼きを乗せる。
そしてゆっくりと片方を斜めにして、鉄板の上にひっくり返して戻すのだ。
誰も真似できない、俺だけの特大お好み焼きの返し方だ。
あ、奥の方がぐちゃってなった。
ま、まあこんな事もある。
と、とりあえず焼けてしまえば味は美味しいはず。
「マルコイさん。この昆布の煮汁は、鰹節があればもっと美味しくなるん?」
「え?鰹節できたの?」
「一応試作品やけどね。」
あ、あれ?
鰹節って確か作るのに半年くらいかからなかったっけ?
また伝えて1ヶ月程度だと思うんだけど‥
「マルコイさんが言ってた、焙乾とか天日干しってスキルでできるんよ。【水魔法】で水分抜いたり、【火魔法】で長時間天日干しと同じ効果を出したりとか。やから1ヶ月あれば試作品くらいはできるんよ。」
やだ、キリーエさん。
相変わらず優秀すぎる。
「なんだ、それじゃあ鰹出汁も取れたわけだな。だとしたらタコ焼きも鰹出汁で生地を作っ方がいいぞ。それに鰹節は削って削り節にして、タコ焼きや今から作るお好み焼きに振りかけても美味しいぞ。」
やばいなぁ、優秀なキリーエさんのおかげで更に出来る料理が増えそうだ。
よし、いい感じに焼けてきたな。
俺はお好み焼きを切り分け‥
そのままでいいか。
再度【スードウクリエイター】で大きな皿を作る。
その上にまた、【時空魔法】を使ってお好み焼きを盛り付ける。
これはお好み焼きだから【時空魔法】魔法を使うのであって、決してタコ焼きの時に使うのを忘れていた訳ではない。
あの時使っていたらアキーエのパワーに圧倒される事もなかったけど、決して忘れていたわけではない。
正直に言うと、今思いついただけだ。
「わーい!たくさんあるですぅ!全部ミミウが食べていいですか?」
「ああ。俺とキリーエの分は先に少しもらってるからな。それはぜーんぶミミウの分だそ。」
「やったですぅー!あーん、わっ!熱いですぅ‥」
おお?
新たな発見。
いくらミミウでも熱いのは食べれなかったと。
「美味しいですぅ!タコ焼きみたいに一口で食べれるおやつじゃないけど、しっかりとご飯ですぅ!マルコイさん、もう一枚くれるですか‥?」
ふっ。
人は勉強する生き物なんだよ。
熱さで多少は遅くなったとしても、すぐ食べ終わる事はわかっていた。
俺はすでに次のお好み焼きを焼いていた。
ついでに隣の鉄板でデザートのクレープも焼いてみる。
材料は小麦の粉、卵、砂糖、牛の乳の4つだけだ。
それでも甘味があってとても美味しい生地になる。
ミミウに作ってやろうと思って一度自分で作ったから、美味しさは確認済みだ。
そして中に入れるのはホイップクリームと呼ばれる物だ。
これは牛の乳から脂肪分以外を除去して、牛の乳の脂肪の濃度を高めた物を使用する。
生クリームってやつだな。
後はこれに砂糖を入れてかき混ぜる。
ただひたすらかき混ぜる‥
途中でミミウに出来上がったお好み焼きを渡しながら、ひたすらかき混ぜる。
つ、疲れた‥
ツノが立つくらいになれば出来上がりだ。
これに果物を切った物を一緒に入れれば出来上がり。
「ふおぉ!こ、これは凄いやんか!こんなに美味しい物を作るなんて、さすがマルコイさんや!」
これはキリーエの方が好きだったみた‥
あ、ミミウさんも無言でモシャモシャしてました。
ミミウさんも気に入ってもらったようで何よりです。
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