第481話
「今回は手伝ってもらうというか、少し『ノーム』から話を聞いてもらいたいと思ってな。でも前回のダンジョンの件もあるし、ミミウに感謝してるからご飯を作ろうと思って。」
俺は秘密基地までミミウと羽根人形で飛んできて説明する。
ちなみに神聖国の人には羽根人形を使う所を見てもらった。
俺を見てるねっとり視線があったからね。
一度『アウローラ』の拠点に戻りそこから羽根人形を使ったのだが、秘密基地とは反対方向にある程度飛んで、そこから高度を上げて秘密基地に戻った。
羽根人形の速さにはついて来れないと思うけど、行き先は気になるはずだから、今ごろ見当違いの所を探してるだろ。
「ところで今ミミウは甘いデザートとがっつりご飯はどっちを食べたい?」
「はい!ミミウはがっつりご飯を食べた後に、デザートを食べたいですぅ!」
あ、そう来ましたか。
「わかった。そしたら最初にがっつりご飯を作ろうかな。」
「わーい!やったですぅ!」
うむ。
本当に嬉しそうに喜んでくれるからな。
また作ってやりたくなるんだ。
作ってる最中は腕の痛みで後悔するけど‥
今回はさっきの小麦巻?を見て作りたい料理があったからな。
市場で少し買い物をして秘密基地に来た。
保存ができる食材は『スペース』に入れておけばいいんだけど、新鮮な物は買わないといけないからな。
【時空魔法】のレベルが上がったら、時間停止型の『スペース』とか使えるようになるんだろうか?
さっきの小麦巻は異世界でいう、フラワートルティーヤってやつになるのかな?
普通トルティーヤはとうもろこし粉で作るんだけど、小麦で作ってあったみたいだし。
今度とうもろこしを粉にしてトルティーヤとかタコスとか売っても面白いだろうな。
「そやね!それは是非作ってみなあかんね!」
おおおおおおう!!
突然の声に1メートルくらい飛び上がってしまった。
何故ここキリーエ!
「こっちからお金の匂いがしたから、羽根人形で飛んで来たんよ。何かつくるんやろ?うちも見ててええかな?」
「も、も、もちろんいいぞ。」
焦った!
頭の中を読まれてるのはいいんだが‥いいのか?
それよりもキリーエが突然現れたのが怖い。
【察知】に反応しなかったよね?
いや反応してたのか?
敵意がなかったから気づかなかったとか?
それでも【察知】は反応するはずなんだけど、まさか【察知】からも身を隠す隠密系のスキルとか‥?
ま、まあいい。
とりあえず異様な高まりをみせている鼓動を落ち着かせて、料理を作る事にする。
まずは【スードウクリエイター】で大きな深皿と火にかける鉄板と深めの鍋を作る。
本当は土で作った後に火にかけて陶器にするんだけど、そもそも陶器を焼く事で固まるのは、熱によって土に含まれる長石が溶け、珪石と土をつなぐ接着剤のようになるからなんだよな。
だから、その工程を【スードウクリエイター】でしてしまえば、わざわざ焼く必要もない。
あれ?
これって作って売ったら、俺の懐も暖かくなるんじゃね?
ま、まあ今は置いておこう。
今度少し多めに作って店に売り込みに行ってみよう。
「マルコイさん。ホット商会で買うから、持って来てな。」
また読まれてる。
やだ、怖い。
深めの鍋に昆布を入れて煮出す。
その間に、深めの皿に小麦の粉、水、卵を入れてかき混ぜる。
そこに煮出した煮汁の粗熱をとって加えていく。
そこに大量のキャベツとオクトパスやらクラーケン、エビやらドラゴン肉の薄切り何かを大量にぶち込む。
そして生地が出来たら、大きな鉄板に広げていく。
そうです。
今回作るのはお好み焼きです。
これも恵の知識でしょう。
ありがとうございます。
さっきの陶器は誰なんだろ?
あやめかな?
2人とも必ず助けるからな。
まあそれはさておき、匂いに釣られて大量な涎の湖を作っているミミウさんのお腹を満たすとしましょうかね。
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