第480話

『ノーム』に掘ってもらったダンジョンに入ってみる。


中は秘密基地より少し小さいくらいか?


でもかなりの広さだな。


俺は【スードウクリエイター】を使って空間を更に広げる。


そして広げた時に出てきた土を使って壁を作っていく。


おお、なんか迷宮みたいになってきたぞ。


トラップもいるよな。


でもあんまり凶悪にしたら、帰れなくなるからな‥

何とか死なずにすんだけど、これ以上は危険だ!

戻って本国の指示を仰がなければ!ってなるのがいいんだけど、加減が難しい。


神聖国から来る人なんで、腕の3〜4本は諦めてもらうとして、その傷でどうやって帰ってもらうかな?


罠の作動した場所のすぐ側に宝箱があって中にはポーションが!みたいな感じでいいか。


でも罠を考えるのが難しいな。

床が抜けて下には毒のない蛇がたくさんとか?


いや、蛇を捕まえてくるのが尋常ではないくらい面倒だ。


どうしよう‥?


こんな時こそスキル【異世界の知識】にヒントがあるはずだ。


おお!

これなんかいいんじゃないか?


床が抜けて、下にはスライムが敷き詰められていて、スライムの溶解液で落ちたやつの洋服だけが溶ける‥


おい。

なんで洋服だけだよ。

どうせこれも正人の知識だろ!


もしそれを作ったとしても見れなければ意味がないじゃないか!


その前に男だったらどうすんだ?


おっといかんいかん。

思わず興奮してしまった。



とりあえず落とし穴は作るけど、中には土で作った杭を仕込んでおくかな。


さすがに刺さると一瞬で死ぬので、土は脆くしておこう。


少しは刺さるけど、体重がかかると壊れるくらいね。


これだと劣化してたのか‥みたいになるでしょ。


後は宝箱に爆弾仕掛けておいて、開けると爆発!でも中にポーションみたいな感じでもいいだろう。


ポーションは中級程度の物を入れておけば、欠損は治らないけど、傷を癒す程度はできるしな。


モンスターなんかも徘徊させよう。

木偶人形の蜘蛛型とか作れば、それっぽくなるだろうし、こちらである程度操作できる仕掛けをしておけば怪我の強弱はつけやすくなると思うしな。


ヤバいぞ。

これはこれで楽しくなってきた。

やっぱり物作りは楽しいなぁ。




ついつい楽しくなってやり過ぎてしまった。

本当は1日で秘密基地の改造までしたかったのだが、ダンジョン作りに1日かけてしまった。


それでも時間は足りないけど、今回の件が落ち着いたら、色々とやってみようと思う。




さて次は秘密基地の防犯だな。


秘密基地の防犯については多少の考えがある。


ミミウにダンジョンを作ってもらった時にヒントをもらった。


さっそくミミウに『ノーム』を出してもらわないとな。


ミミウには『ノーム』にダンジョンを作ってもらった後はセイルズに戻ってもらってたから、もう一度来てもらわないと。


俺はセイルズに戻ってミミウを探す。


今は昼前くらいだから、食べ歩き中だな。


食べ物を出すお店が多い所を歩いているとミミウを発見した。


ミミウにいる方に歩み寄って行くと、ミミウが何か食べてるのがわかる。


ん?

なんだあれは?


「ミミウ。何食べてるんだ?」


「あ!マルコイさん。小麦巻って食べ物ですぅ。小麦の粉を水で溶いた生地を焼いて、塩味のお肉を巻いた食べ物で、美味しいけど量が少ないのと焼けるのに時間がかかるのが残念ですぅ‥」


生地自体はすぐ焼けるみたいだけど、肉を焼くのに時間がかかってるみたいだな。

焼いておけばいいんだろうけど、美味しく見せるために、その場で焼いているのかな?


「そっか。ミミウ今は時間あるか?もし手伝ってくれるなら、俺の料理をご馳走するぞ。」


あ、ミミウの目が光った。


人って目が光ったりしたっけ?


「行くです!さあ行くです!どこに行くですか?今すぐ行くです!」


おお‥


何故か右腕がすでに痛む。


別に古傷とかなかった気がするけど‥



俺はミミウに急かされて、秘密基地に戻るのだった。

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