第479話
さてさてまたしてもやってきました秘密基地。
でも今回は秘密基地じゃなくて、その側に遺跡を作る目的でやって来た。
とりあえずそれっぽい遺跡を作っておけば、あそこから魔道具が出てきたんだなと思ってくれるだろう。
秘密基地には防犯をつけて撃退するけど、遺跡の魔道具に関しては防犯はしない予定だ。
罠は作るけどね。
そして意気揚々と神聖国に持って帰って、自国で軽い爆発でもしたら面白いかなと。
そしたら盗むのではなく、使い方を『アウローラ』に聞かないと扱えないのでは?となり、最終的には勇者に聞いてこい、若しくは徴収して来いにならないかなと思っている。
決して俺が楽しんでいるわけではない。
楽しんでる‥わけではないはず‥
自国にフルフェイスの魔道具とか持って帰って、使おうと思ったら頭が爆発してアフロになるとか面白そうだとか決して思っていない。
まあとりあえずミミウにお願いして、3階層くらいのダンジョン的な遺跡を作ってもらおう。
「ミミウ。ここに3階層くらいの広めの空間を作ってもらいたいんだけど、『ノーム』にお願い出来る?」
「わかったですぅ。お願いしてみるですね。『召喚採掘:ノーム』ノームさんお願いがあるです。」
ミミウは呼び出した『ノーム』と何やら話をしている。
『ノーム』は相変わらず何も言っていないように思えるけど、ミミウは頷いたり話しかけたりしてるので、会話として成り立ってるんだろうな。
会話が終わったのか、ミミウがこちらを向いた。
何故か口元に涎が垂れている。
何故俺を見ながら涎を垂らしているのだ‥?
「ど、どうかしたのか?」
少し身の危険を感じながらミミウに話しかける。
「マルコイさん。『ノーム』さんたちは、この前の秘密基地くらいの広さが精一杯だそうですぅ。でもマルコイさんの魔力をわけてくれるなら大丈夫かもって言ってるですよ。マルコイさんの魔力は美味しそうな色をしてるし、量もたくさんありそうだって。」
ミミウがじゅるりと言いながら口元を拭っている。
いやミミウさん。
魔力の話でしょ?
俺が美味しいわけじゃないからね。
「魔力の色?魔力に色なんてあるのか?」
「精霊さんには見えるみたいですよ。その人が好む魔力の色になるみたいで、ミミウは金?というか土色みたいだそうですぅ。でもマルコイさんは色んな色が混じってて、とても美味しそうだそうですぅ。」
だ、だから涎を垂らすんじゃない。
「まあ俺の魔力でよかったら魔力切れを起こさなければ幾らでも持って行って構わないぞ。」
ミミウは『ノーム』に説明している。
すると話が終わったのか、『ノーム』が俺の身体に近づいてきた。
匂いを嗅いだかと思ったら『ノーム』が俺の身体に這い上がってきた。
そして何かフンフン言ってるように見える。
何か可愛い。
「『ノーム』さんが美味しいって言ってますぅ。ミミウも精霊さんだったら、マルコイさんの魔力食べれたのに‥」
ミミウよ。
精霊さんは普通のご飯は食べれないからな。
しばらく待っていると、『ノーム』が身体から離れていった。
なるほど。
確かに魔力を食べられた気がする。
魔法やスキルを使った時の疲労感に似た物を感じる。
何やらわちゃわちゃしていた『ノーム』が地面を掘り出した。
「『ノーム』さんが、こんなに美味しい魔力を貰ったのは初めてだって。これなら10階層くらいまで行けそうだって言ってるです。」
いや、そんなにいらんからな。
どこの本格ダンジョンだよ。
張り切って掘り進める『ノーム』さんが、ちゃんと3階層でやめてくれるか心配になってしまった。
しばらく待つと、『ノーム』はちゃんと3階層まで掘って戻ってきてくれた。
「ありがとうな『ノーム』さんたち。」
『ノーム』たちは俺が声をかけるとしきりに頷いている。
「『ノーム』さんは、マルコイさんなら、魔力くれたらまた手伝ってやってもいいって言ってるですよ。」
おお。
それは助かる。
召喚するのはミミウにお願いしないといけないけど、俺の魔力でいいなら、また手伝ってもらおう。
それじゃあちょっと手作りダンジョン作成しますかね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます