勇者の救出
第478話
セイルズに戻る時にまた海洋モンスターに会いそうだったので羽根人形で戻りたかったが、人数が多すぎて断念した。
そしたらやっぱり出ましたよ。
全くここの海はどうなってるのかね?
それともミミウの隠れスキルですか?
まあでも今回は武装集団が乗っているので、襲ってきたモンスターの方が可哀想だったけど‥
流石に全員は船に乗らなかったので、3便に別れたけど、乗ってる人がほぼ傭兵だったからな。
おかげで俺も周りの目を気にせずに戦う事が出来たし。
そんなわけで、小さめクラーケンを1匹ゲットしました。
食材ゲット。
そしてセイルズに着いたのはいいんだけど‥
見られてるね〜。
セイルズに着いた途端に粘っこい視線を感じる。
こんな粘っこい視線を送れるのは神聖国に違いない。
国民の固有スキルだなきっと。
おそらく俺が数日帝国の足止めをしていた時にはすでに神聖国からの指示が出ていたと思われる。
それでも数日で俺たちより先にセイルズに着けるなんて行動がかなり早い。
それだけ俺の魔道具に興味津々ってところか。
渡すつもりは更々ないけど、興味を持たれるのは作成者としては嬉しいような‥
「ねえマルコイ。これって多分見られてるわよね?」
「そうだな。思ってたよりも随分と早いご到着だな。」
だがまだ行動には移ってなかったみたいだな。
いくら秘密基地は隠していないとはいえ、すぐに見つかるようにはしていないしな。
『アウローラ』と接触するのが目的なのか、それとも『アウローラ』が魔道具を置いている場所を探るのが目的なのか‥
どちらにしろ『アウローラ』には拠点に戻ってもらうとしよう。
そして神聖国が『アウローラ』を探ってる間に俺は秘密基地の改造をして、準備ができたらクワイスに秘密基地の場所をバラしてもらおう。
「アキーエ、キリーエ。宴会の準備をぼちぼちしててくれ。俺は秘密基地の防犯を整えてくる。もしかしたら神聖国からの接触があるかもしれないけど、その辺はクワイスに任せといていいから。多分クワイスなら軽くあしらうと思うしさ。相手もこっちが魔道具持ってるのは知ってるから、馬鹿な事はしないと思うけど、念のため用心しといてくれ。」
「わかったわ。」
「それでも宴会はするんやね。」
「それは当たり前だ。俺の魔道具がどうだったのか、酒の力を借りて忌憚なき意見をいただきたいと思っておりますので!」
「はいはい。」
呆れたような顔だけど、笑顔で俺を見るアキーエ。
だって‥
もっといいやつを作るには意見が必要だろ?
更に芸術的な爆発を起こすためには、みんなの想いが必要なんだよ。
「あとリルはアキーエについて行くか、アレカンドロの家で待っててもらっていいか?」
俺はかなり離れた所にいるリルに少し大きめな声をかける。
「フシャーッ!」
威嚇された。
あれ?
仲間って何だっけ?
「ごめんマルコイ。突然話しかけられると、つい反射的に威嚇してしまうみたいなんだ。」
それって潜在的に拒否してるよね。
「リル殿は我が家に来たらいいと思いますぞ!是非是非。さあさあ。」
アレカンドロよ。
そんなにリルと模擬戦がやりたいのか‥
スキルを使ったらわからないけど、スキルなしだとボコボコにされるぞ。
俺なんてスキル使ったのにスパスパ斬られたからな。
それに洗脳されていないと更にスパスパアップだ。
ズルい。
今度リルのスキルを教えてもらおう。
もう少し仲良くなれたら‥
「わかった。そしたら大人しくアレカンドロの家にいる事にするよ。まだ少し人が怖いから。」
「そうか。アレカンドロ‥あんまり無理強いするなよ。」
「承知いたしました!1日の回数を決めてやろうと思いますぞ!」
いや、そう言う事じゃないんですけど‥
まあいいか。
とりあえずボコボコにされなさい。
それじゃあ俺は秘密基地の改造と、魔道具が出土する遺跡でも作りますかね。
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