第469話
聖都を通り過ぎてしばらくすると、またスキル【察知】に反応があった。
マルコイは更に上空に上がると、ゆっくりと反応があった所に近寄っていく。
すると眼下には帝国の兵が野営をしているのが見えた。
かなりの数がいる。
神聖国にこの数がそのまま向かったら、神聖国は落ちるかもしれない。
まあ神聖国もただで負けるとは思えないし、何か隠し球でも持ってるとは思うけど。
それでもこの数だ。
かなりの犠牲者が出るだろうし、勇者たちが戦場に駆り出されたら、誰かが犠牲になるかもしれない。
それはあまりよろしくないな。
ここから木偶爆弾を落としたら、問答無用で勝てそうな気がするけど、帝国の矛先がこっちに向かったら嫌だし、それにそんな悪魔のような事はしたくない。
モンスターは別だけどな。
俺は帝国兵から少し離れた所に着地する。
それじゃあ準備するとするか。
取り出したりますは、アレカンドロの家でも活躍いたしました、小さな浮かぶ人形たちです!
それに木偶人形軍団。
まあ正直な話、夜な夜な怖い思いしたら戦争どころじゃないだろって作戦です。
作戦と呼べないかもしれないけど、しないよりはマシだろ。
それに木偶人形には食糧庫を発見したら燃やすように命令している。
これであわよくば食糧がなくなって帰ってくれないかなぁとか思ったりしております。
そのまま木偶人形を向かわせたら、俺が木偶人形を別の機会に使ったら犯人とバレそうなので、【スードウクリエイター】で表面を土で覆う。
これでモンスターに見えるだろ。
それじゃあ行け!
木偶人形改め木偶人形モンスター!
人形たちはフラフラと帝国兵が野営をしている場所目掛けて進んでいく。
そして木偶人形モンスターが帝国兵の所に到着すると‥
悲鳴が上がった。
「なんだこいつらは!」
「ひぃ!なんか浮かんでるやつがいるぞ!」
「モンスターだ!モンスターが出たぞ!」
おお!
思ったよりも効果があるようです。
まさかお試しで作っていた木偶人形たちにこんな使い道があるとは。
俺は更に木偶人形たちを『スペース』から取り出して帝国兵の方に向かわせる。
「うわー!どんどん来るぞ!なんだいったい!」
「ふん!慌てるな!こんなモンスターなど斬り捨ててしまえ!」
お?
さすがにビビりばかりじゃないようだな。
しかしですね。
「うおっ!なんだこいつは!く、首だけが浮いてやがる!それにこいつら斬り捨てても向かってきやがるぞ!」
そうなんです。
新スタイルの木偶人形たちは、なんと人工核を破壊しないと動き続けるんです!
一家に一体どうですか?
それと首だけ人形は新作です。
ただ、アキーエを脅かすだけの目的で作りました。
「な、何なんだよこいつらはっ!」
すると帝国兵の野営地で火の手が上がり出した。
お?
食糧庫にたどり着いた木偶人形がいるみたいだな。
火の手が上がった事で、襲ってきた木偶人形たちの姿が浮かび上がる。
「う、うわっ!火を消せ!食糧が燃えるぞ!」
「承知しま‥ひぃ!モンスターが上半身だけで動いてやがる!」
姿が見えるようになったら冷静さを取り戻すかと思ったら、余計に怖さが増したみたいだ。
うーん。
阿鼻叫喚の光景だな。
時間にして3時間くらいかな。
さて‥
明日のために一度街に戻るかな。
木偶人形たちはある程度時間が経ったら自身が燃えるようにしている。
元々付けていた防御力を上げるための魔力回路を時限式の発火装置に変更した。
斬りつけられた箇所なんかは燃えないとは思うけど、残骸が残ってた方が怖いかなと。
それじゃあ張り切って明日も頑張るとしよう。
いつまで続けるかな‥
さすがに俺もこの程度の事で帝国が撤退するとは思ってないけど、少しは士気も落ちると思うし、何より神聖国が籠城したら耐え凌げる可能性も出てくるだろ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます