第436話
ゴーレムの動きも見させてもらったので、とりあえず今回は秘密基地の昇降機だけ作って帰ることにした。
昇降機についてはゴーレムも乗れるような箱型を作りその箱の外に手足をつけてみた。
そして鉄を細くしたワイヤーを束ねて縦穴に通して、それをゴーレムが掴んで登るといったものだ、
縦穴に垂らすような形でワイヤーを張っているので、終点ではゴーレムが穴の縁に手をかけてよじ登るようになっている。
うん。
はっきり言って揺れる揺れる。
登り降りは早くなったし、疲れないけど吐きそうになる‥
ほんの少しだけスキャンの苦しさがわかりました。
もう少しスムーズに動くように要改造だな。
数日、時間の余裕があったので、秘密基地に籠って魔道具作りに励んだ。
その甲斐もあり、何とかメンセンの魔道具も目処がついた。
かっこよく作ろうと思ったせいで制限ができ、作るのに梃子摺ってしまった。
でもせっかく作るならかっこよくて楽しい方がいいかなと思って。
身に纏う魔道具のリクエストだと常に装備していて、有事の際に武器、防具として扱う事ができる事が必要だと思われた。
ここが苦労した‥
俺みたいに『スペース』が使えるのであれば、普段そこに入れていて使う時に出せばいい。
しかしメンセンはもちろん、他に『スペース』持ちなんているはずもないので常に持ち運びできる大きさである必要があった。
そこで考えたのは、ある程度の大きさの物を普段から身につけていて、そこに折り畳む形で収納する構造にしたのだ。
魔力を流すと、その中に入っている鎧が出てきて身体を覆うといった物だ。
イメージとしては異世界のシャッターみたいな感じだな。
ただ、収納場所を1箇所にすると容量が大きくなるので腕、腰、足の5箇所に収納する。
その中に収納している鎧がそれぞれの箇所から、鎧を出して他の部位の鎧と連結して関節部位以外の全身を覆うようにした。
まあ薄い金属になるので、魔力回路で防御性能を上げまくる必要があったが‥
それでも見た目はかっこいいので、よしとする。
単純に防御力が上がったので戦うことはできるのだが、メンセンの言う肉弾戦用の魔道具と言うには少し物足りない気がした。
そこでその鎧から直接身体能力を上げる何かを出来ないかと考えた。
1番最初に考えたのは、魔力供給と同じように普段使わない時に魔力を溜め込んで、必要時に身体に魔力を供給する方法だ。
しかしアキーエに相談したところ、魔力を外から供給すると、身体の魔力の許容範囲を超えると魔力過多により身体が爆散するそうだ‥
俺がサントバルを倒す時に使用したと伝えたら、鬼の様に怒られた‥
俺の魔力容量がかなり大きかった事で事なきを得たのだが、実は結構危ない事をしていたそうだ。
かっこつけて魔力供給したのに、実は爆散した可能性があったとは‥
危ない危ない。
今度両手にはめてみようと思ってたけど、本当にやばい時にしよう‥
実験で爆散するわけにはいかないしな。
しかし魔力供給が難しいとしたら、別の何かを考える必要があった。
しょうがないので、本人の魔力を使って身体強化をして徐々に魔力を回復させるような魔力回路を組み込む事にした。
そうすれば長時間身体能力強化をしても魔力が切れることがなくなるからな。
この魔力回路も結構場所を取ったので、魔力回路による防御性能が若干低下してしまったけど仕方あるまい。
この状態でも木偶爆弾の爆発くらいなら何とか耐えれると思うからいいだろう。
あと、魔力の回復については身体に直接魔力を流し込む形にした。
その方が魔力が回復しやすいし、何より場所を取らない。
身体能力強化程度の魔力なら、直接流し込めば小さな魔力回路で済むからな。
これが今のスキルで作れる物としては最高レベルかな。
もちろん普通の鎧にしたらもっと色々出来るんだろうけど、かっこいいのが優先だから。
さて、あとはメンセンに試してもらいに行くとするか。
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