第435話
「そ、そうか。まあ頑張って。ところでクワイスに話を聞いてきたんだろ。聞いてすぐ来たのか?」
「ああ。マルコイさんのこったから凄いのを作ってんだろうなと思ってよ。マルコイさんが『アウローラ』に配ってくれた羽根人形はどうしても俺の性に合わなくてよ。なんか別の物を作ってもらえないかと思ってさ。」
羽根人形は誰でも使える物に仕上げたつもりだったんだけど‥
筋肉で重くて飛べなかったとか?
「羽根人形で空を飛んで上から爆撃ってのがな。俺は肉弾戦が好きで傭兵になったようなもんだから、何か違うなってよ。だから俺に合った肉弾戦用の魔道具とかないか?」
肉弾戦用の魔道具か‥
何それ、面白そう!
「そうだな!殴ったら爆発するガントレットとか、攻撃したら爆発する斧とか、防御したら爆発する盾とか!いや、ゴーレムみたいに搭乗するタイプの魔道具じゃなくて身に纏う感じの魔道具でいいのか‥わかった、少し考えさせてくれ!」
「ガハハハ!さすがマルコイさんだ!でも出来れば爆発は控えてくれるとありがたい。」
「何でだ?大丈夫だ、ちゃんと爆発してもダメージは食らわないように設計するから!任せとけ!」
「い、いや、とりあえず爆発から離れてくれると‥」
何作ろっかなぁ!
やっぱりこんなのを作って欲しいって要望があると燃えるな。
アレカンドロみたいな鎧のような魔道具もいいだろうな。
「いや、あの‥よろしくお願いします‥」
よし!
とりあえずたくさん作ってメンセンに実験してもらおう。
もし気に入らなくても『アウローラ』の誰かが使うだろ。
「早まったかな俺‥‥」
今日から忙しくなるぞー!
メンセンの魔道具の案を考えながらスキャンの様子を見に行く。
階段を上りながら、この段数の階段を搭乗型ゴーレムで登り降りすると考えるとやはりちょっと難しいな。
他の魔道具を作るよりも先に昇降用の魔道具を作った方がいいだろうな。
地上に戻ると、少し離れたところでスキャンが搭乗型ゴーレムを操作していた。
おお!
飛び出すパンチが離れたところにある岩を打ち砕いた。
いいねー。
強いぞゴーレム!
「スキャン!どんな塩梅だ?見たところかなり慣れてきたみたいだけど?」
「マルコイさん!凄いなこのゴーレム!これならオーガキングは無理かもしれないけど、オーガ相手なら無双できそうだ。」
何を言ってるのかね。
オーガキングとも渡り合えるのをコンセプトにしてるのに、オーガ程度で満足してもらっては困るよ。
「ところでスキャン。最近モンスターの氾濫とか起きそうな感じはない?」
「そんな起こったら大問題な件を軽々しく聞くのはマルコイさんだけだよ‥今のところないよ。俺もそんな気配があれば、氾濫する前にゴーレムに乗って特攻するけど。」
ないかー。
残念だ。
どっかにオーガキング落ちてないかな?
「それじゃあしばらくは模擬練習だけになるな。でもいつでも使えるように準備しといてくれよ。あとそれは標準装備だから、火力重視とはいえ今まで作った武器を載せてるだけだ。だから新しいのが出来たら随時搭載していくからな。」
「うえっ?まだ武器を載せるつもりなの?今のままでも充分強いと思うけど?」
「何を言ってるのかねスキャン君。目標はドラゴンとも渡り合えるゴーレムだよ。こんな所で満足するわけにはいかないんだよ。」
そのくらいの強さがないと、魔王討伐についていけないだろ。
やっぱり作った魔道具が活躍してるとこ見たいしな。
「それとメンセンにも違うタイプの魔道具を作るつもりだから、出来上がったら模擬戦してみるといいよ。使いやすい方の量産型を『アウローラ』に提供するからさ。」
「そりゃ負けられないね。俺のゴーレムの強さを見せつけてやりますよ。」
お?
いいね、スキャン君は被験者として有望だ!
これからもいろいろ持ってくるから楽しませてほしいな!
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