第433話

アキーエが一緒についてきた件。


なぜ!?


「アキーエさん。なぜ一緒に来られたのでしょうか?」


「え?人手がいるのかなってのと、マルコイがあんまり暴走して他人に迷惑をかけないように‥かな。」


他人に迷惑は‥‥‥そんなにかけてないと思います。


「でもそんなに手伝う事もないけどいいのか?暇になるかもしれないぞ。」


「いいの。マルコイがどんな事してるのか興味あったし。」


世界平和のために頑張ってます。


「それに‥好きな人の趣味とか一緒に共有したいし‥」


「ん?なんだ?」


「な、なんでもないわっ!」


アキーエが何か小声で言っているが、よく聞こえなかった。


まあいい。

この燃える男のロマン。

アキーエにでさえ止められんぞ。


あ、後でマロンケーキ作らなくっちゃ。




「今は俺のゴーレム作りとかが出来る実験室を作ってる所なんだ。しばらくそっちにかかりっきりになるから、スキャンに渡したゴーレムでも見てきたら?」


「そうね。しばらくマルコイの作業を見たら、見に行ってみるわね。」


むう。

まあいい。

今は秘密基地作成を重視すべし。


まずは【スードウクリエイター】で縦穴に階段を作る。


この登り降りも大変だな。

簡単に昇降できる乗り物なんか作った方がいいのかもしれない。

箱型のゴーレムとかかな?




最下層まで降りるとかなり広い空間が確保されていた。


いい仕事されますねノームさん。


ところでここにあった大量の土はどこにいったんだろう?


俺の【スードウクリエイター】は土を操作する事は出来るけど、質量は変わらない。

圧縮して固めたりは出来るけど、この空間を作るためには『スペース』に土を入れたらいいんだろうけど、この量を入れると無駄に容量を食いそうだしな。


それにしても土は食べたのかな?

大食いのミミウの召喚した精霊も大食いとは‥


恐ろしい娘っ!


それはさておき、ただ開けた空間だから耐久性に問題がある。

そこで【スードウクリエイター】で土を圧縮して土壁を硬くする。


これでとりあえずは崩れたりする事はないだろう。


後はノームにもらった鉄鉱石から鉄材を取り出して【ディバイズメイキング】で鉄板を作り、周りを補強していく。

俺がいない時に崩れたりしたら目も当てられないからな。

まあ土を圧縮した事で、多少の地震があったところで壊れるとは思わないけど。


細かい部分については【スードウクリエイター】のレベルが上がって、金属の操作ができるようになったらやるとしよう。


とりあえず灯りの確保は魔道具でいいかな?

空間全てを照らせるように灯りの魔道具を配置する。


そして『スペース』から木材を取り出し、看板を作る。


『保管分』と看板に書いて、隅の方に立てる。


そこにレベル上げのために作った、木偶爆弾を置いていく。


クワイスには200個くらいって言っていたけど、多分300個近くあるな。


まあいいか。

多分役に立つだろうから、多いに越した事はないよね。


後は俺の子供たちである木偶人形を並べていく。


こいつらもいざと言う時に活躍するはず。


多分オーガあたりだったら無双出来そうな気がするしな。


俺も必要になるかもしれないので、半分の50体くらいを置いておく。


あとは楽しい楽しいゴーレム作りをするとしよう。


今度のゴーレムは武器を使えるのを前提として考える。


膝や可動域部位に使った機材を小さくして、指を一つ一つ動くようにしていく。


とりあえず握る、開くの動作ができればいいだろう。

もっと細かい動きをさせるには、金属の操作ができるようにならないと難しいだろうな。


でも土でゴーレムを作っていたら、きっとその先には金属のゴーレムが待っているはず。


そのためにも今は無心でゴーレムを作るのだ。


決して楽しいからではないよ。


ミスリルのゴーレムなんか作れば、打倒魔王の勇者たちの力になるはずだ。


そうすれば俺が望んでいる、世界平和に近づくはず。


あれ?

目的って世界平和でよかったよね?


まあいいや。

さーて、次は何を作ろうか!

人の目を気にしなくて作れるなんて、楽しくてしょうがないぞ!

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