第426話
他のお店もお客さんが入っており、好調な滑り出しのようだ。
オマールさんの所にもお客さんが来ており、オマールさんが忙しそうに働いていた。
「あっ!マルコイさん!」
忙しそうだったので、声をかけずに素通りするつもりだったのだが、オマールさんの方から声をかけてきた。
「マルコイさん!見ましたよ!マルコイさんも人が悪い!マルコイさん、ホットモールの警備につかれたんですね。」
ん?
警備?
「挨拶の時見ましたよ。ああすみません、話しかけてよかったですか?」
「え、ええいいですよ。」
「いや〜、キリーエ副会長がお話しされている横にいらっしゃったでしょ?だからホットモールの警備をされる事になったんだと、ピンときまして。マルコイさんくらい強かったら、ホット商会も大歓迎だったでしょうね。なんせクラーケンを倒してしまうくらい強いんだから!ああすみません内緒でした。」
いや、内緒は船の上だけだから別にいいんですけど‥
一応関係者側のつもりで立ってたんですけど‥
「マルコイさんみたいに強い人が警備してくれるなら安心です!これからよろしくお願いしますね!」
「えっと‥そ、そうですね。でも俺はホットモールが出来てしまったら、別の場所に移動する予定なんですよ。」
「そうなんですか!?それは残念です‥確かにマルコイさんくらい高ランクの冒険者なら1箇所に留まるはずないですもんね。お互い頑張りましょう!ああすみません、調子にのってしまいました。」
「そうですね。オマールさんも頑張ってください。それじゃあ。」
俺は手を振り、オマールさんと別れる。
俺と話しをしていたせいで、商品を購入したい人が待っていたみたいで、謝りながら対応している。
あの人って‥
いつか俺が一応会長だって気づく日がくるのかな‥?
オマールさんの所もそうだったが、武具や道具、洋服などの建物にもたくさんの人が来ている。
大盛況だなぁ。
ガッスンさんもお店を出しているようで、お客さんの対応に追われている。
初めて会った時みたいに眉間に皺を寄せた顔ではなく、生き生きとした笑顔だ。
嬉しいんだろうなぁ。
異世界のショッピングモールでは、何かしらの催し物がモール主催で行われていたりする。
それって多分ショッピングモールがお客さんを呼ぶためにしてるんだろうけど、ホットモールもガッスンさんみたいにアースンの事を思ってる人を呼んで、これからの事を話した方がいいだろうな。
ガッスンさんなら、俺たちが離れた後も本気でこのホットモールの事を考えてやってくれそうだ。
ここまで大きくした物を残して国に戻るのは少し心配だったけど、あの人がいるなら大丈夫だろう。
アースンって街にそこまでの思い入れはなかった。
だけどガッスンさんの気持ちや、今働いている人たちを見ると、自分たちが離れるまで出来る事はやっておきたいと思う。
とりあえずモールに会長専用部屋を作って、転移部屋の準備をしときましょうかね。
食品用の建物は珍しい料理が多いためか、かなりの人で賑わっている。
というか、これ街の人全部来てないか?
この街ってこんなに人がいたんだなってくらいの人の多さなんだが‥
もちろんタコ焼きは長蛇の列で、次点が今川焼きって所か。
でもタコ焼きの人が食べたら今川焼き、今川焼きの人が食べたらタコ焼きみたいな感じで並んでる。
まあ大きさ的に1つでお腹いっぱいにならないからな。
珍しいから両方食べたいって人が多いようだ。
普通のデザートや定食なんかにも人が並んでいる。
ホットケーキはもちろん、ハンバーグや揚げ物なんかも人が多い。
もちろんチキン南蛮もこの辺じゃ売ってなかった料理だから、人が並んでいる。
複雑ではあるが、売れている事は喜ばしい‥
料理の受け渡し口の横に、御神体と教典がなければなおよかったんですけど‥
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます