第423話
今回ミミウに食べてもらうのはわさび醤油で食べる分と、魚の骨と昆布でとった出汁をかけて食べる明石風タコ焼きにした。
本来のタコ焼きではないのかもしれないけど、金型の使い具合の確認とミミウのキラキラした目に勝てず、思わず作ってしまった。
まあこれはこれで美味しいと思うので、ミミウも満足するだろう。
ソースの方はまた後でのお楽しみだな。
しかし!
10個まとめて作ってしまったが、取り出す時どうしよ?
そこまで考えなかったぞ。
俺があたふたしていると、アキーエが厚みのある木材を持ってきた。
「アキーエありがとう。でもこの木材でどうしろと?」
「もう‥マルコイは木を変化させるスキルがあるでしょ。それを使って長いお皿を作ったらいいんじゃない?そしたらわたしが受け止めるから。」
なるほど!
俺はすぐに【スードウクリエイター】で木材を変化させる。
ミミウの顔くらいあるタコ焼きを10個まとめて乗せる事ができるような細長い皿を作る。
そしてそれをアキーエに持ってもらう。
「アキーエいいのか?多分かなり重いと思うぞ。」
「多分大丈夫と思うわ。無理そうだったらミミウも手伝ってね。」
「わかったですぅ!」
俺はアキーエの準備が出来たのを確認して金型からタコ焼きをゆっくりと移す。
「ちょっと重いけど大丈夫そう。どこに置いたらいいかな?」
近くに長めの机があったので、そこに置いてもらう。
結構重いと思うんだけどな。
割と軽々と持ってたな。
俺はアキーエが置いた皿に手をかけて持ってみる。
んあっ!
いや、ちょっと重いじゃないぞ!
か、かなり重い。
変に力をかけたら皿が折れてしまいそうだ。
なにこれ?
こんなのをちょっと重いで持ってたの?
ミミウの方が力は強いと思うけど、ミミウだと皿を割りそうだ。
こ、これってアキーエだから持てたんじゃないの?
アキーエを見るとタコ焼きの匂いが美味しそうだったのか、ニコニコしている。
そうだった。
アキーエも人族か怪しいんだった‥
出来上がったタコ焼きを半分を出汁をかけて、あと半分をわさび醤油を小皿に用意して、それをつけながら食べてもらうようにする。
「わぁー!美味しそうですぅ!」
ミミウはタコ焼きを前に尻尾を振りまくっている。
あ、尻尾ないんだった。
「アキーエとキリーエはどうする?1個ずつもらうか?」
「食べてはみたいけど、あんな大きなの食べれないわよ。」
「そやね。さすがにあの大きさはミミウちゃんじゃないと無理やわ。」
「それじゃあ半分にしてから貰ったらいいんじゃないか?ミミウ、すぐ次のを焼くから1つ貰ってもいいか?」
「もちろんいいですぅ!ミミウはたくさん食べれるならいくらでも待つですよ?」
うむ。
さすがミミウさん。
「キリーエ殿ー!」
ん?
アレカンドロも来たみたいだな。
「キリーエ殿!依頼のあった鳥型のモンスター討伐してきました!」
「ありがとう!アレカンドロちゃん助かるわ!」
鳥型モンスター?
「あっ!マルコイ殿!」
「よ!アレカンドロ。お前もタコ焼き食べてくか?」
「あ、マルコイ殿が言ってた料理作る事が出来たんですか?」
「おう。まだ完成とはいかないけど、とりあえずの所はな。」
「そうなんですね!それじゃあ自分も1つ貰ってもいいですか?」
さすがアレカンドロ。
このサイズを見ても1個いけると思ったようだ。
ミミウに隠れてるけど、アレカンドロも結構大食いだ。
まあ、あくまで常識の範囲内の大食いではあるが‥
アレカンドロにもタコ焼きを用意して、みんなで食べてみる。
おお!
かなり大きめのサイズだったけど、外側はパリッとしてて、中はとろっとろだ。でもちゃんと中まで火が通っているようだな。
みんなも意外にもぺろりと食べてしまっている。
うっ‥
匂いに釣られてか、作業していた人たちもこちらを覗き込んでいる‥
「キリーエ。せっかくだから、200個作れるタコ焼き器も試してみるか‥」
俺はその後、大量の普通のタコ焼きと大きなタコ焼きを何回も焼く羽目になった‥
う〜ん。
腕が上がらん‥
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます