第422話

ミミウ用の大きなタコ焼きについては、普通の焼き方では焼かない事にした。


だって異世界の普通に焼き方だと、中トロトロじゃなくて中生焼けになってしまう大きさだからな。


タコ焼きは多分人それぞれ好きな状態はあるようだけど、アースンで出すタコ焼きは異世界で基本的な外側パリッと、中トロトロの状態で出す予定だ。


しかしミミウに作る予定の大きさだと、普通の金型だと中に火が通らないと思う。


そこでミミウに作るタコ焼きは大きな金型を2つ用意して、そこで半分ずつ焼いて途中から1つにして焼いてみるつもりだ。


これだと普通の焼き方よりも、火の通りがいいと思う。

今川焼きとか、たい焼きの焼き方に近いかな。


あ、たい焼きも作ればよかったかな。


でもたい焼きってなんで魚の形なんですか?とか聞かれたら答えようがないのでやめておこう‥


多分恵だろうけど、明治時代?に作られて、めで鯛から鯛の形になったらしいけど、こっちの世界だと鯛は別にめでたくもないしな。


それだったら、そのうち有名になるはずの木偶爆弾焼きの方がいいはずだ。

口の中で美味さ爆発!

おお、これ売れないかな?


まあそれは、そのうちキリーエと考えるとして今回はミミウのタコ焼きだ。


卵を大きな容器に割り入れ、小麦の粉と昆布を煮て冷ました出汁を入れて、ダマにならないようにかき混ぜる。


そういえば出汁を作るのに、異世界で使われている鰹節なんてのがあったら、料理が更に美味しくなるだろうな‥


「ふんふん。なるほど。その昆布の出汁以外にも何か出汁があるんやね。」


はいそうです。


鰹節の事を考えた時点で側にはキリーエがいた。

そんな気がしてました。


「カツオって魚を乾燥させて作る鰹節ってのがあるんだけど、魚の出汁をすぐに作れる食材なんだ。これも作るのに時間はかかると思うけど、海苔と同じで作る所から始める事になるから、人を雇ったりする大きな仕事になるよ。」


「そうなんや!それじゃあ、どの国で始めるか考えんとあかんね。ミミウちゃんの料理が終わってからでええから話聞かせてな。」


ふっ。

ミミウの料理が終わるのなんて、いつになるかわからないぞ‥


てかさっき木偶爆弾焼きを考えた時、キリーエ来なかったな?

なぜだ?

売れると思うんだけど‥?



生地が出来上がったらあとは茹でたオクトパスを切って入れるだけなんだけど‥


キャベツを入れたら甘味が出て美味しいらしい。

お店で出すタコ焼きには入れない予定だが、ミミウにはかさ増し目的にたっぷりと入れるとしよう。


キャベツを細かく切って生地に入れる。

用意した金型に生地を流し込み、大きめのオクトパスを一口大にしてゴロゴロと入れる。


ミミウ専用金型機はなんと同じような金型が10個連なったもので、ミミウの顔サイズのタコ焼きが一気に10個焼けるような仕組みになっている。


1つずつ作ると、ミミウが食べるペースに絶対間に合わない。

10個まとめて作ったとしても、多分間に合わないけど‥

でも1人で作るとなると、この数が限界だ‥


金型を熱して、生地の外側が焼けてきたくらいで2つの金型を1つに合体させる。


合体って何かカッコいいよな。

合体木偶人形とか作ってみようかな‥


そして両面が焼けるように、金型を回しながら火を当てる。


片方から熱を加えるのでは中が焼ける前に外がこげそうだからな。


金型を開いてみると、かなりいい感じで焼けている。

竹串をさしてみると中まで火が通っているのが確認できた。


とりあえずタコ焼きは完成したが‥

問題はソースなんだよな。


うっかりしてたけど、タコ焼き用のソースがない。

タコ焼きを作るってなった時に気づいてキリーエに相談したが、現在まだ試作段階だ。


タコ焼きソースを作る前にまずは普通のソースを作らないといけない。

まあ材料はほぼ手に入ったみたいなので、あとは試作を繰り返していけばいいものになるだろう。


まあ初めての調味料だし、せっかくだからいいものにしたい。


あれ?

これってソース教とかできたりしないよね‥?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る