第421話

ガッスンさんから金型を受け取り、そのままホットモールに向かった。


着工から2週間経った事もあって、かなりの店舗が埋まっており、すでに商品の搬入を行っている店舗もあった。


オマールさんの店やタールさんの店も出来上がりつつある。


タールさんの店を少し覗いてみる。

よかった、まだタルタル教の御神体は届いていないようだな‥


届いていたら御神体の顔を確認して、俺だったら顔だけでも破壊せねばならん。


そのためにも【スードウクリエイター】を使い、小さな爆発を起こせる程度の極小サイズ木偶爆弾を作成したからな。


なんとしても俺とタルタル教の関係性を気づかれるわけにはいかない。


そのためになら俺は爆殺の二つ名を受け入れるつもりだ‥



とりあえず今日のところはまだ届いていないので、タコ焼き屋さんの準備をするとしよう。


タコ焼き屋さんが入る店舗にアキーエがいる。


「ようアキーエ。何やってるんだこんなところで?」


「あ、マルコイ。わたしだけ暇してるわけにはいかないから、キリーエの手伝いしてるの。」


キリーエの手伝い?

今日は何か爆発させるような事があったかな‥?


「なんか変な事考えてない?いや、考えてるわよね?」


う〜む。

何故うちのパーティはこんなに勘が鋭いのだろうか?


「いや、別に何の手伝いしてるのかなと思ってさ。」


ふっ。

平静を保つのにも慣れたものだ。


「いや、絶対そんな事考えてなかったわよね?」


ふっ。

バレてる。


「マルコイさーん!」


ミミウも見に来ていたようで、俺を見つけて走り寄ってきた。


「マルコイさん!ケーキはどうするですか?」


ん?

ケーキ?


「ケーキ屋さんか?まだケーキについてはキリーエと話をしていなかいから、どこに店舗を出すのか、そもそも店舗を出すのかも知らないぞ。」


「あれ?そうですか‥てっきりマロンケーキがでると思ってたですぅ‥」


そんな話をした覚えがないんだけどな‥

でもケーキか。

甘いお菓子を出す店もいいな。

多分キリーエは、その辺も考えてはいると思うけど。


今回俺が提案した今川焼き以外にも、ホット商会の主戦力であるホットケーキも出すだろうし、俺が出した事のあるケーキもキリーエならすでに商品化しているはずだ。


「ケーキはないけど、オクトパスをタコ焼きにするための大きなタコ焼き器は作ってもらったぞ。ミミウの顔くらいのタコ焼きができるやつだ!」


「本当ですか!やったですぅー!タコ焼きですぅ!」


相変わらず食べ物の時の喜び方がすごいな。

ほっこりするけど、今からタコ焼きを焼くという戦いを始める事になるので気を引き締める必要がある。


俺はキリーエを見つけて、本命のタコ焼き器の設置場所を確認する。


「マルコイさん。ここでええよ。ここなら200個つくる機材がのるやろ?」


通常の壁をぶち抜いて、2店舗繋いだ状態にしてる。

確かにこれなら一気に200個焼ける機材を置いても問題はなさそうだ。


「わかった。ここなら大丈夫そうだ。折り畳み式にしたから、もし店舗を移動する時も楽に出来ると思うぞ。」


「それは助かるわ。タコ焼きが浸透したらいくつかの店舗にわけるつもりやったさかい。」


俺は用意された場所にタコ焼きの機材を設置する。


「マルコイさん、今川焼きの方はこっちにお願い。」


「はいよ。」


よし、これで店舗用の機材の設置は終わったな。


「後タコ焼きの焼き方については人が揃ってから教えるよ。人が揃ったら教えてくれ。」


「とりあえず3人は用意したけど、休みの事を考えるとあと1人は欲しいんよ。やから4人揃ったらお願いするわ。」


「わかった。」


あとは‥

ミミウ用の特大タコ焼きと特大今川焼きの調理だな。

「ミミウ。それじゃあ今からミミウ用のタコ焼きを作るぞ。」


「わーい!やったですぅ!」


さて、それじゃあ戦いに向かいますか‥




あっ!

ミミウの言ってたケーキって、俺が【ディバイズメイキング】を覚えた時にロマンを感じたからか!


え?

なにそれ怖い‥

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