第419話

『スキル【加工】を確認しました。模倣スキル【設計士】【建設士】【薬術士】【加工】を統合します。スキル【ディバイズメイキング】に統合しました』


ほー!

ここにきてスキルを統合してくれたか。


しかし今回も戦闘系ではなくて、生産系のスキルのようだが‥


スキルの知識が頭に入ってくる。


そうか‥


なるほど。


やはりスキルは生産系のスキルだった。

しかも今回のスキルもかなりやばい。


スキル自体は【スードウクリエイター】に似ている。


しかし今回のスキルは、【スードウクリエイター】のように素材から物を作り出すのではなく、素材から物を取り出すのだ。


複雑な物は作り出す事はできない。

しかし金属だろうと木材だろうと、頭の中で製図した物が、素材から取り出せるのだ。


【スードウクリエイター】は木材や土などから物を作り出す事ができる。

しかし人形などの動く物については関節部位などを無理矢理スキルや魔力回路で動かしている。


そのため、今の時点ではゴーレムを作ったとしても俺以外であれば、そのゴーレムのポテンシャルを満足に発揮する事はできない。


だが、今回得たスキル【ディバイズメイキング】はその関節に必要な部品などを素材から取り出す事ができる。


部品を組み立てる必要はあるが、俺の【スードウクリエイター】のスキルレベルが上がれば、その作った部品を使って人形やゴーレムを作る事ができる。


つまり俺以外でもポテンシャルを十全に発揮する事ができるのだ。


これはつまり‥


ゴーレムの脚を魔力回路で風を放出して無理矢理動かす必要がなくなる。


それに動力さえ魔力回路で作ってしまえば、自分で指示を出すのではなく、自分で動かせるゴーレムができるのだ。


こ、これは男のロマンが溢れ出るぞ。


「マルコイの旦那?どうかしましたかい?」


「い、いやなんでもないよ。ちょっと驚いた事が起こったからね。」


「そうっすか?ところで金型1枚仕上がりましたぜ。」


ガッスンが金型を持っていた。


おお。

25個のへこみがある銅の金型だ。


しかし多分今の俺なら一瞬で作れると思う。


頭の中で採寸された物が素材の銅さえあれば、素材からその金型を取り出す事ができるはずだ。


まあ今まで手作業で金型を作ってたのに、いきなり銅から金型を取り出したら、流石におかしいと思うだろうからやめておくけど。


「ありがとうございます。これで大丈夫と思います。あとこれを7個と今川焼きってお菓子をつくる金型が必要になります。あと人の顔くらいの大きさのタコ焼きを作る金型が必要なんですけど‥」


「なるほど。それも設計図があったりしますか?」


「ええ。ありますよ。」


「それなら任せといてもらえますか?弟子が来てからにはなりますけど、3日あれば全部仕上げてきますよ!」


「それは助かるんですけど‥でもなぜここまでしてくれるんですか?もちろん作っていただいたらお金もお渡ししますが、作成費の相談なんかもしてませんよ。」


あとからものすごい金額を請求されたら、キリーエに泣きつく事になってしまう‥


「そうっすね‥マルコイの旦那がホット商会の方だからですかね。」


ん?

どういう事だ?

店を出せるからって理由だけで、ここまでするものなのか?


「このアースンって街は見ての通り港町です。でもね、船に乗ってしまえばあっと言う間にセイルズって街についてしまうんですよ。でも同じ港町でも雲泥の差だ。あちらは商人の国、商業が盛んで何かあれば人はみんなあっちに行っちまうんです。此方は土地さえ余るくらい何も発展しない。もう廃れていくだけだったんですわ。でもホット商会が新しい施設を作ってくれるおかげで、街が生き返った。息を吹き返したんですよ!だから俺はそのお手伝いができるのであれば、街を生き返らせる手伝いができるなら、無償でもお手伝いさせてもらいますよ!」

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