第394話
まあドラゴンスレイヤーの話は置いといて、ミミウがまた涎の湖を作りそうなので、ドラゴンを調理する事にする。
ミミウが食べたいと言った時にすぐに食べれるように血抜きはしといた。
ドラゴンは捨てるとこがないと言われてるくらい素材としても優秀らしいので、血も大事に保管している。
獣人国に戻ったら錬金術士のアリアやイレイスに見せて自慢してやりたいと思う。
まああの2人には借りがあるからな、必要なら譲ってもいいし。
『スペース』からドラゴンの肉を取り出す。
かなりのサイズで、出した途端に大騒ぎになった。
「アキーエ。ちょっといいか?」
俺はアキーエに声をかける。
「すまないけど、ドラゴンの肉を焼く前に食用で使っていいか【判別】で調べてくれないか?食べるのは問題ないと思うけど、もしかしたらきちんと焼かないと駄目だったりするかもしれないから。」
ドラゴンの肉だからな。
多分食べた人もそういないと思うし。
「問題ないみたいよ。【判別】では極上のお肉だって。それに生食も大丈夫みたい。」
それは良かった。
これで実は食べれませんとかなったらミミウさんが3日は落ち込みそうだからな。
3日じゃ済まないかな‥
ドラゴンの肉も部位ごとに味が違うのだろうが牛や豚と違い、どこがどの食感なんてわからないので、とりあえず切ったところから焼いていく事にする。
多少もったいない気もするが、まずはステーキからだからな。
塩胡椒を振って大ぶりに切ったドラゴン肉を鉄板に乗せていく。
まずは牛でいうところの肩ロースかな?
鉄板に乗せると鉄板の熱ですぐに脂が出てきた。
融点が牛より低いのだろうか。
しかしこの焼けている匂いが食欲をそそる。
いい感じに焼けたのでミミウの皿に乗せる。
まずはこのドラゴンを倒したミミウから食べてもらわないとな。
ミミウは肉にフォークを刺すと、そのまま口に頬張った。
そして何度か咀嚼したかと思ったら‥
止まった。
そして目を大きく見開いたかと思ったら、また勢いよく食べ出した。
食べ終わった後にミミウが皿を此方に向けてくる。
「おかわりですぅ!お肉さんが口の中でとろけました!こんなに美味しいお肉さんを食べたのは初めてですぅ!」
おお!
それは良かった!
そんなミミウの言葉を聞いてみんなが並びだす。
大きめの鉄板にこれでもかと切って並べる。
「アキーエたちも手伝ってもらっていいか?あとでちゃんと作って食べてもらうから。」
コソッと皿を持って並ぼうとしていたアキーエに声をかける。
見つかったみたいな顔をしない。
「ふぅ。わかったわ。」
「うちも手伝うよ。」
アキーエに声をかけたらキリーエも手伝いに来てくれた。
この数を捌くのに非常に助かる。
しかしドラゴンの肉は部位によってかなり食感が違うようだな。
肩ロースの部分もかなり美味かったようだが、今焼いてるサーロインの部分も食べているミミウの顔を見ていると美味しいようだ。
1人2〜3枚は焼いただろうか‥
正直腕が疲れてきた‥
ようやくひと段落したので、自分の分も焼いてみる。
こ、これは!
やばい脂の甘みといい肉の柔らかさといい確かに極上の肉だ。
こんな物食べてしまったら普通の肉が物足りなくなってしまいそうだ‥
今ある肉がなくなってしまったらミミウが地竜狩りに旅立ってしまうくらい美味い。
少しお酒のお供になりそうなのも作るか。
ドラゴンの腿の部分の肉を切り取る。
細かく切ったら、少し甘めのタレをかけて上に卵を乗せる。
異世界のユッケって食べ物だ。
アキーエに【判別】してもらって生食できるってわかったからできる事で、普通のお肉だとお腹を壊すらしい。
なのでこっそりと自分で食べる。
やばい。
これはお酒がすすむ。
そんなユッケを食べているとキラキラした目が此方を見ている。
1人はミミウ。
大丈夫、君にも作ってあげよう。
1人はキリーエ。
これは生食できるやつでしか作れませんよ。
もう1人は‥
フーラさん?
な、なぜタルタルソースを持ってジリジリと近づいてきてるの?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます