第335話
防衛手段、ホット商会の出店に対して精力的に動きだした。
もちろんいつ『カッカス』側が動くかもしれないので、2人と3人に分かれて行動する。
俺は防衛手段と新しい商品の開発。
キリーエは新しい店舗と商会に入る商人や店の選別。
アレカンドロとアキーエは基本キリーエの護衛になるが、その他の雑務もお願いした。
ミミウは試食担当だ。
いや、そんなにご飯関係は作らないんだけど‥
もちろん防御技術はパーティの中で1番高いので護衛もしてもらっております。
キリーエが宿に戻った時に新しい商品の話をしているとキリーエが面白い話をしてきた。
俺が人形を頼んだ職人さんの義理の兄弟になるそうだが、『機工士』たるスキルを持つ人がいるらしい。
なぜ面白いのかというと、スキルを使用してカラクリ箱のような物を作っているとの事。
キリーエの話ではびっくり箱や特殊な開けたかをしないと開かない箱などがあったが、1番気になったのは木の歯車を使って音を出す箱があったというのだ。
異世界の知識にあるオルゴールみたいな物だろう。
もちろんこの世界にも馬車や荷車など大きな歯車を使った物はある。
しかしキリーエが言うには手に収まる程度の箱だそうで、そこまで小さな作業をするにはスキルの補助が必要になるだろう。
機械という物が発達していればもっと有用なスキルなのだろうが、この世界ではスキルの持ち腐れだな。
これはさっそく有用な使い方を一緒に考えさせてもらわねば。
上手くいけばこの家に罠を仕掛けられるかもしれない‥
やり過ぎると怒られると思うけど、1箇所2箇所くらいだったら大丈夫だよね。
キリーエとの話は装飾士の人にどんな服を作ってもらうかって話だったので、この世界にはない服にする事にした。
一緒に来ていた装飾士の人と話をしていると、1番貴族やお金を持っている商人に売れそうなものがスーツとドレスだった。
ドレスはフワッとした物は流通しているが、ピタッとしたマーメイドラインやスレンダーラインは流通していない。
好みが分かれるのかもしれないけど、男性用のスーツの隣に並べておくと絶対に映える。
他にもチャイナドレスと呼ばれるものや様々な物を提案した。
ここでも神認定されました。
神様ごめんなさい。
神聖国に行く事があったらお祈りします。
行かないけど。
キリーエとの話がひと段落したので、先程話をしていた機工士のお店に連れて行ってもらった。
お店には沢山の物が置いてあった。
しかし置き方は雑で、何がなんなのかわからない状態だった。
買う人の事を考えておらず本当に自分が作りたい物を作って並べている感じだな。
キリーエの話では本人は生活苦のため、ホット商会への参入の話をすると喜んで入ってくれたそうだ。
生活が苦しいなら商売に力を入れればいいと思うけど、職人はその辺が不器用なんだよな。
この音楽箱って名前のオルゴールをメインに作ってもらい、それを別の街でも売りに出すそうだ。
「いらっしゃいませ!何か御入用で‥!キリーエさん!」
40前後の男が急いでキリーエの元に駆け寄ってきた。
まるでお尻に尻尾が生えていて、ブンブン振っているようだ。
あ、実際尻尾ついてた。
獣人さんみたいだな。
「こんにちは、アルホックさん。今日はホット商会の会長さんが商品を見たいそうなので連れてきました。」
「ああ!貴方が会長様ですか!ありがとうございます!うちのような潰れそうな店にまで声をかけてもらって!」
いや、商品は良さそうだから潰れそうなのは店が汚いからだと思うけど‥
「はじめましてマルコイと言います。アルホックさんの音楽箱はとても面白かったので、少し工夫してから売れたらと思ってます。あとアルホックさんは【機工士】というスキルを持ってあるとか?」
「はい。確かにその通りです。」
アルホックさんはポケットから商人ギルドのギルドカードを見せてくれた。
アルホック
商人ランクC
スキル【機工士】
「ご覧の通りスキル【機工士】になります。と言ってもあんな音楽が出る箱のような物を作るくらいしか出来ないんですけどね。」
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