対カッカス

第334話

アレカンドロの案内でアレカンドロの持ち家まで連れて行ってもらった。


少し街の中心部から離れた郊外にはなったが、これからの事を考えると余計に都合がよかった。

年数もそんなに経っておらず、作りもしっかりしていて家具もついているようなので今日から住んでも問題はなさそうだった。


「随分と立派な家ね。アレカンドロとお父さんの2人で住んでたんでしょ?2人じゃ勿体ないくらいの大きさね。」


「はい!父は傭兵家業をしていると遠征して何年も帰ってこれない時もある。でも自分の家がある、帰る場所があると思うと頑張れるって言ってました!まあ父は出来上がる前に戦死しましたけど!」


帰って来れなかったんかい!

てか衝撃の事実をサラッと言ったな。


「そうなのか?すまないな辛いこと話させて。」


「いえ、もう吹っ切ってますから!それに家は家。自分は帰るところがあるのは確かに大事と思いますけど、自分が思う帰る場所は家じゃなくて人だと思いますから!」


まあ確かにそうだな。

俺も帰るべき場所は皆んなのところで、皆んなと一緒に獣人国の家に帰りたいと思ってる。


そのためにはさっさとナイコビ商会との喧嘩を終わらせないとな。


「ありがとな。そしたら家の中を見せてもらっていいか?」


俺たちはアレカンドロの家の中を見せてもらった。

確かにアキーエが言っていたように2人で住むには勿体ない程の広さだった。

少し街から離れている事もあってこの広さを確保できたんだろうけど、台所に居間の他に数部屋個室がある。

5人それぞれが一階の個室に入ったとしてもあと2階の部屋が数部屋は空いている。


「皆さん好きな部屋を使ってください!自分はこの部屋を使っていて、父は隣の部屋でした。それ以外の部屋はベッドしか置いてないので好きに使ってもらって大丈夫です!」


「ありがとう。それじゃ皆んな話し合って部屋を決めてくれ。でも部屋は一階にしていてくれな。2階だとその部屋に行くのに少しだけ時間がかかるからな。俺は1番動きやすい真ん中付近にある部屋を使わせてもらう。」


俺はそう言ってアレカンドロの隣を借りる事にした。

アレカンドロの父親の部屋の反対になる。


「じ、自分の部屋の隣でありますか!」


ん?

そうだな。

そうなるけど‥


「何か不味かったか?」


「い、いえ、全然平気であります!」


そ、そうか‥

それはよかった‥


「それじゃあ私はマルコイの隣にしておくわ。何かあった時はすぐに声かけてもらっていいから。」


わかった。

着替えている時を狙って声をかけさせてもらおう。

生死をかけてっ!


ミミウとキリーエも部屋を決めてそれぞれの持ち物を俺の『スペース』から取り出す。


さて俺は今から家の防衛兵器作りをしましょうかね。


とりあえず人形については作れる人がこちらの国にもいてくれたので頼んで一体作ってもらうよう依頼をしに行った。

そしてその時になんとスキル【人形士】を模倣させてもらう事ができた。

これで俺も人形を作る事ができると思ったら、木人形なんてものは難しくて作れませんでした。


俺の模倣スキルでは小さな布人形しか出来ませんでした!


しかしせっかくなので布人形も魔力回路つけてみた。


攻撃手段は持たせずに移動手段だけ取り付けてみた。

周囲の風を取り込んで排出口を通して下方に出す事で、人形の軽さもあって浮かす事が出来た。

そして前後左右も同じように排出口をつける事で自由に移動できるようにした。


結果‥


はっきり言って木人形とは比べ物にならないくらい怖かったです‥


昼間だというのにアキーエは悲鳴をあげていました。


もう少しで撲殺魔法拳で人形が四散するところでした。


これはこれで置いておくだけで防衛手段になりそうな気がする。


まだまだ防衛手段は必要だが、それっぽいスキルを覚えれたらいいんだけど。


まあない物ねだりだし、今ある物でやっていくしかないんだけどね。

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