第331話

俺は襲ってきた男の1人を残して残してセイルズの街に戻った。


もちろん姿が見えなくなったら空に上がったよ。

いろいろ疲れたから普通に歩いて帰るのはしんどいです。


あの場にいた『カッカス』の団員で強そうなやつはいなかった。


しかし筋肉はやはり団長だけあって強さを感じた。

戦ってみたいとわからないが、かなり強いと思う。

バカそうだけどな。


サントバルは‥


底が見えなかった。


あの場で戦ったらヤバかったかもしれないな。


まあしかしこっちには殺戮機械アキーエと異次元胃袋のミミウがいる。


3人なら渡り合えると思う。

他に強者がいなければ‥だか。


あ!

出掛けにアキーエに話し合いましょうって言われたんだった‥

忘れてた。

少し帰りたくないかも‥

寄り道して帰ろっかな‥


そんな事を考えながらセイルズに迎えって走っていると割と早くセイルズが見えてきた。


襲撃者を追いかけていた時は見失わないようにする必要があったのでそこまでスピードは出せなかったけど、今回は俺1人だし行きとは違い魔力をとっておく必要がなくて全速力で走ってきたからな。


時間的に1時間かからない程度で着いたようだ。


宿に戻るとみんな心配してたのか、全員が俺の部屋で待っていた。


「マルコイ!大丈夫だった?怪我しなかった?」


またしてもオカン登場だ。


「ああ。今回は無茶してないから別に怪我とかもないぞ。ちゃんと逃したやつは飼い主のところまで戻ったから黒幕は確認してきたよ。」


「そう‥それでどんな人だった?」


「そうだな‥印象としてはやっぱり一筋縄では行かなそうだったな。」


「そうなんだ‥やっぱり危険な相手だったのね‥」


そうだ‥


しかしアキーエには負けると思う。


俺は相手がアキーエなら尻尾巻いて逃げるけど‥


「とりあえず今回は挨拶だけになった。奴ら俺が追いかけた襲撃者を自分たちの都合だけで殺しやがった‥他にも手はあったと思うが、一番効率的で効果的な方法を躊躇いもなくとったんだ。」


「仲間だったんじゃないの?」


「そうだな。どんな主従関係なのかはわからないが、情報を伝えるために夜間必死に走った仲間を平気な顔してな。まあ暗殺者を送り込むようなやつは総じてどこか狂ってるんだろうけどな。」


サントバルの目には狂気が宿っていた。

それも俺がヤツを警戒した理由の一つだ。


「次に奴らがどう動くかがわからないけど、最大限に警戒する必要がある。でも今回の事で待つだけじゃなくてこっちからも動けるようになったからな。まだどう動くかまでは考えてないけど、向こうが動かざる得ない状況を作っていくつもりだ。悪いけど遠慮するつもりもないからな。『カッカス』もナイコビ商会もまとめて相手するつもりでいくぞ。」


さてこれだけやったんだ。

次は本気で狙ってくるだろうな。

その辺も考えないとな。






「なんなんだアイツは!舐めやがって!だいたいこの場でやってしまったらよかったんだ!何故逃したサントバル!」


ダンバルは自身の筋肉を震わせながら近くのテーブルを叩き壊した。


「あの場はしょうがない。使い捨てかもしれんが、聞いたこともないような罠の魔道具を使う相手だ。準備もしていない今の状況で相手するのはよくない。こっちから攻撃して逃げられても事だしな。」


「そんな物今まで通りいくらでも揉み消せばいいだろうが!だいたい慎重過ぎるんだよお前は!」


「ほう‥お前は誰に向かってそんな口を聞いてるんだ?」


サントバルから冷たい殺気がダンバルに放たれる。


「うっ‥す、すまない。少し熱くなってしまったみたいだ‥しかしこのままほっといていいのか?」


「ふん。放っておく訳ないだろう。少し時間はかかるが依頼をかけてアイツらを呼ぶ。アイツらなら問題なく始末できるだろう。」


「なるほどな。確かにアイツらなら証拠も残さずに始末するだろ。しかしいいのか?最初に他の商会長たちを粗方片付けた時に悪目立ちするからもう呼ばないと言ってなかったか?」


「今回はしょうがない。多少噂になったところで他の弱小商会供が少し騒ぐ程度だ。それよりも早めに方をつけないと面倒そうだ。」


「確かにな。ふはっ。アイツの驚く顔が直接見れないのは残念だがな。」


サントバルは笑みを含んだ表情で団員に指示を出すのだった‥

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