第314話
さて、料理と魔道具を作るとは言ったが何を作るべきか‥
あとは今までやっていないような海辺での仕事を考えるかだな。
1番最初に考えたのは水着だった。
これは決して下心があったのではない。
この国もそうなのだが、エルフェノス王国側の港町も海で遊ぶという事がなかったのだ。
俺のスキル【異世界の知識】によると異世界の人は暖かい時期になると海で水着を着て遊ぶという行為が当たり前のようだった。
正直そんな事が面白いのかと思ったが、誰かの知識には色んな道具を使った運動やお店があったりしてとても需要は高そうであった。
ちなみに物凄く女性の水着の知識が多かったのは、多分正人の知識だと思う。
偉いぞ正人。
俺はもうこれしかないくらいの勢いでキリーエに相談したが、「そんな薄っぺらな服着て海に出て、モンスターに襲われたらどうするん?」と言われた。
俺はこの世界のモンスターを根絶やしにする決意を密かにした‥
まあそれはさておき、水着は却下して他の事を考える事にした。
この世界でも海で獲れる物などを使った商いはほとんど行われている。
なので特殊な知識を必要とする商いが必須になるな‥
料理は海の幸を使った物にするので魚などを売っている店を見に行って決めようと思う。
あとは魔道具だが、今まで作った魔道具については売る事ができない。
1番最初に銃の事を考えたが、あんな物を売ってしまったら戦い方が変わってしまう。
魔法を使えない者が遠距離から相手を倒す事ができる。
モンスターもそうだが人もだ。
売るとしても俺しか作れないが、多分他の方法で同じような物を作る者が現れるかもしれない。
なので銃は売らない事にした。
それに俺だけ作れても意味がない。
俺が作る魔道具は正直魔力回路頼みの所があるので俺しか作れないのだ。
俺が作った便利な魔道具をいくつか売る方法でもいいが、できればホット商会で作って売れる物がいいだろう。
しかしそうなってくると、かなり作る物を考える必要があるな‥
とりあえずこれは保留だな。
何かいい考えが浮かんだ時に挑戦してみよう。
キリーエと共に先日行った屋台に行ってみる事にした。
天ぷらの丼物のつもりではいたが、魚を売っている屋台を見ている時に1つ思いついた料理があった。
天ぷらは獣人国でも
作っている。
魚ではなく肉や野菜が中心だが、すでに食べることのできる料理だ。
せっかく魚を使うので少し変化を加えてみる事にする。
必要な食材を購入する。
「マルコイさん!それで何をするん?どんな料理?違う店の料理人呼ぶから!」
隣でキリーエが興奮してフンフン言ってる。
少し落ち着くがよい。
「そうだな。前作った事がある天ぷらに似ている料理だ。油で揚げるのは変わらないが、すこし衣に変化を加える。せっかくだから鰻丼を出す店とは違う店がいいのかな?後で連れて行ってくれ。作り方を説明するから。」
「わかった!魚はこの国には受けがええからね。その新しい食べ方となると鰻丼と一緒で売れる事間違いない!コストが‥」
うん。
まだ買い物残ってるから商人モードは後でやってほしい‥
他にも見て回ったが、異世界にあってこの世界の屋台に並んでない物があった。
それほど有名じゃないかもしれないけど、有れば色んな料理に使えるかもしれない。
料理の最後に散らす程度だが、これを作るとなると中々大きな商いになるんじゃないのか?
今作ればこの街での特産品になるかもしれない。
ふむ。
ちょっと大きな仕事なので人もいるから、キリーエと要相談だな。
俺はキリーエに内容を簡単に説明して屋台を後にする事にした。
まだ触り程度しか説明してないのに、商人モードのキリーエさんは人をどうやって集めるかなど、もう作る気満々だった。
さてまずはお料理の時間だな。
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