第297話

ここまででかなりのオークを討伐した。


しかしまだかなりの数が残っている。

この大陸のオークを全部連れてきたんじゃないだろうかと思うほどだ。


まだ俺もアキーエもミミウも余力はあるが、早めに決着をつけたい。


俺たちの周りはオークの亡骸が積み重なっている。

しかしオークたちは仲間の死骸を乗り越えて進んでくる。


オークの上位個体が現れたらすぐに俺が討伐する。


大きな棍棒を持っている大きなオークはかなり膂力があり直撃したら俺でもかなりのダメージを喰らうだろう。

しかし当たらなければ意味はない。

棍棒の振り下ろしを躱して一撃で倒す。


そして辺りを見渡すとオーク達が俺たちから距離を取り始めていた。


誰かがキングを倒したのか?

そう思ったが違ったようだ。


群れをかき分けて出てきたのは更なる数のオークの上位個体だった。


その数は10や20ではきかない。


しかし‥


その奥に他のオーク上位個体よりも更に一回り大きい個体がいる。


もしかして‥


「ミミウ少しだけ俺を守ってもらっていいか?」


俺はミミウの後ろに移動して新しく現れたオークに鑑定をかける。


オークキング

スキル【剛腕】【指揮】【属性魔法耐性】


やはりあいつがオークキングか!


「すまないミミウ。それとようやくオークキングが出てきてくれた。あの上位個体の群れを倒すのは骨が折れるが、終わりが見えたぞ!ミミウは傭兵団の人たちを守ってくれ!俺とアキーエで討伐してくる!」


「わかったですぅ!もう少し頑張るですぅ!」


「そうやね!もう少し頑張るわ!」


おう!

びっくりした!

キリーエもいたのね‥


【察知】には反応しているけど、目の前にいるはずなのにキリーエの姿が認識しづらい‥


俺はアキーエにも声をかける。


「アキーエ。オークキングが出たぞ。傭兵団の人たちはミミウに任せて俺たちで討伐するぞ!それとオークキングは【属性魔法耐性】ってスキルを持っている。魔法はあまり通じないからそのつもりでな!」


「わかったわ!魔法は残りの魔力ではそれほど使えないけど、直接ぶっ叩いて倒してやるわっ!」


ぶっ叩いてって‥

頼もしいけど‥


「それじゃ行くぞ!」


「ええ!」


俺とアキーエはオークキングに向けて駆け出す。


オークキングは俺たちが向かってきている事に気づいたのだろう。

ニタリと笑みを浮かべた。


周りを固めているオークを斬りつける。


オークキングが【指揮】で統率しているのか反撃しようとはせずに防御を固めている。


そして別のオークが棍棒を振り下ろしてくる。


一歩下がり棍棒を躱す。


すると別のオークが棍棒を突き出してくる。


ちっ!


今までなかった連携での攻撃を仕掛けてくる。


しかし連携で攻撃してくるのはお前たちだけじゃないんだぜ。


突き出された棍棒をアキーエが拳で叩く。

体勢が崩れたオークを俺が剣で斬りつける。


オークはその場に崩れ落ちて絶命した。


アキーエはそのまま違うオークに放射式の魔法拳を放つ。

オークは上半身を吹き飛ばされて絶命する。

拳を振り切ったアキーエに別のオークが棍棒で横殴りの攻撃を仕掛けてくる。


オークが横殴りしてきた棍棒を、持ち手ごと俺は斬り裂く。

オークの棍棒はそれを持つ手事地面に落ちた。


返す剣でオークの首を落とす。


俺とアキーエの連携をなめんなよ。


何年一緒にいると思ってるんだ。


あんな事やこんな事もしてきたんだぞ!

‥‥あれ?

何か痛い思い出が多い気がするんだけど‥



そ、そんな事はどうでもいい。


俺とアキーエはお互いの死角をカバーしつつオークを倒していく。


するとオークキングが咆哮をあげる。


すると周りにいたオークが怯えるような表情になる。


オークキングとその周りにいたオークが歩み出てきた。


ついにオークキングが本腰を入れてきたようだ。

いよいよ大将の登場だな‥




よし!サクッと終わらせてアキーエともっといい思い出を作るのだっ!

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