ロンギル共和国へ

第266話

皆に挨拶をした翌日。


準備も終わったのでいよいよロンギル共和国に旅立つ事にした。


家は時々点検と掃除をしてもらえるとの事で、家までやってきてくれたバドリックさんに鍵を渡した。


帰ってくるつもりだから、そこまでやってくれるのは非常に嬉しい。

戻ってきたらエッケンさんと王様にお礼を言わないとな。


見送りにはバラックスさんやアマンダさん達が来てくれた。


「おうマルコイ。気をつけていってこいよ。お前がいないと訓練になる模擬戦できないからな。」


「はは。アレカンドロも連れて戻ってくるから待ってて下さい。」


アレカンドロの様子を見るのはついでのつもりだったけど何としても無事に連れてくる必要が出てきたな。


ノギスたちも来てくれていた。

ノギスは最後まで俺たちについてくると言っていたが、この街にいつまたモンスターが襲ってくるかわからないから残ってもらうように言った。

しぶしぶ従ったが、あまり遅くなるようならやっぱりロンギルまで来るそうだ。

となりでナーシスが何度も首を縦に振っていた。


お世話になった街の人に昨日挨拶に行ったが、みんな少し長旅になるだけでまた戻ってくると思ってくれていて嬉しく思った。


「それじゃ見送りありがとう。行ってきます!」


そしてマルコイたちはロンギル共和国に向けて歩き出した。







ロンギル共和国


小さな国がいくつか集まった国となっている。

王はおらず、国の代表については各国の代表者が任期の年数、ロンギル共和国の代表として活動を行う。


ロンギル共和国はエルフェノス王国の北側にある国になるが、エルフェノス王国とロンギル共和国の間には湾がある。

獣人国やエルフェノス王国とも陸繋がりではあるが、陸路で目指すと神聖国やライノズ帝国と言った国を通過する必要がある。

そのためマルコイ達はエルフェノスから水路でロンギル共和国を目指すため一度エルフェノス王国に進路をとっていた。




「マルコイ。エルフェノス王国から船でロンギル共和国に行くのよね?そしたら王都には寄るの?」


「そうだな‥急ぐ旅ではあるが船にのるためには王都やカーロッタの近くを通るんだ。顔見せくらいはしてた方がいいのかな?」


「そうやねえ。なんだかんだ言ってもうちら王国出身やから知り合いに挨拶くらいはしていく?王都通る時は宿も泊まるやろうし。」


う〜ん。

王都は別にいいんだが、カーロッタはなぁ‥

ナーシャさんやギバスのじいさんとは会いたいけど、実家がね。

でもアキーエとかミミウは会いたいだろうしな。

まあアンバーエスト家とは縁を切ったはずだから俺は2人に挨拶してから港に向かうとしよう。


それから数日野営をしながら王国に向かった。

途中で米を作っている村に寄り米を売れるようになってから急に発展した村に驚いたり、盛大なパーティーが開かれ帰りにはお土産をたくさんもらってミミウが全て食べたりなどあったが、問題なく王国内に入る事ができた。


気になる事といえば王国の外もだが、王国内でもちらほらとモンスターに遭遇する事だろうか。


以前は街道を通っていればあまりモンスターに会うこともなかったのだが、今は結構な遭遇率だった。


王国内に入ってから王都に着くまでの間にモンスターに襲われている人や商団を3回ほど助けた。


割と安全に行き来できた道すらこの有様である。

おそらく復活したと思われる魔王の影響が徐々にこの国にも表れてきているのだろう。


「やっと着いたわね!」


「そうだな。モンスターが結構出たから思ってたより時間がかかったがやっと王都に着いたな。これで中間地点くらいかな。」


王国に入り数日が経ち、俺たちは無事に王都に着く事がでにた。


「それじゃ王都で一泊してから出発しよう。まだ昼前だから会っておきたい人がいれば今日のうちに会っておいてくれ。」


俺も何人か会っておきたい人がいるからな。

挨拶に向かうとしよう。

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