第265話
俺たちは旅の準備が整い次第、王様と冒険者ギルドに報告に行く事にした。
王様とはすぐに会う事ができなかったので、エッケンさんに会って話をする事になった。
「すいませんエッケンさん。お忙しい中時間を取っていただいて。」
「いや構わんよ。マルコイから会いに来たのだ、何か問題があってきたのだろう?もしかしてロンギル共和国の事かね?」
「はい。俺たちロンギル共和国に行ってナイコビ商会と繋がっていると思われる暗殺ギルドを潰してきます。」
「おいおい穏やかではないな。アキーエが話を聞きにきた時に気になって調べたが、キリーエが狙われているのだろう?それなら君達パーティを警護するってこともできるが?」
「ありがたいお言葉です。ですがこれ以上この国に迷惑かけるわけにもいきません。それに自分たちパーティの問題ですからね。狙われるのがいつ終わるかわからない状態なら、こっちから終わらせに行ってきますよ。」
「そうか‥しかし終わったらまた戻ってくるのだろう?」
「はい。せっかく家までもらったんですから。問題が解決したらまた戻ってきます。この国は居心地がいいですから。」
「そうか‥それなら快く送り出そう。お主達ならすぐに解決して戻ってくると思うからな。しかし暗殺ギルドも馬鹿な事をしたものだ。Sランク相当の冒険者に喧嘩をうったんだからな。しっかりと後悔するように徹底的に潰してくるといい。」
「はいありがとうございます。」
「それとロンギル共和国には私の信頼できる知り合いがいる。手紙を書いておくので持っていくといい。」
何から何までありがたい。
お言葉に甘えるとしよう。
「もうすぐ立つのか?」
「はい。準備はできているので明日にでも。」
「そうか‥わかった。王には私の方から言っておこう。」
「助かります。それでは。」
「マルコイ。必ず戻ってくるようにな。そうしないと王から私が問い詰められてだいぶ困る事になるからな。」
「はは。承知しました。」
できれば王様にも挨拶をしておきたかったけど、別に問題が解決したら戻ってくるつもりだしたな。
あんなに立派な家があるのに他に居つくのは勿体ない。
後日‥
「え?マルコイ達ロンギルに行ったのか?」
「はい。だから言ったじゃないですか。キリーエが狙われているからおそらくロンギルに乗り込むんじゃないかと。」
「そうか‥帰ってくるよな。」
「そうですね。国ぶっ壊して王とかにならなければ戻ってくるとは思いますが‥」
「ぶっ壊すよなぁ‥場合によっては他の物も壊すよなぁ‥」
「まあそれは確実に。とりあえず暗殺ギルドを叩くみたいな事はいってましたが、あとはどの勢力が敵対するかでしょうね。敵対すればすべて叩くと思いますよ。」
「だよなぁ‥」
「でも救いは自分達の力だけでは大きな事はできないって思ってる事でしょうか。」
「なるほどな。その謙虚さをいつまでも持っててくれると助かるが。それじゃロンギルに調査員を派遣しといてくれ。」
「かしこまりました。腕利きを送っておきます。」
その言葉に獣人国の王ゲリィほ笑みを浮かべるのだった。
エッケンさんに報告を終えた俺たちは次に冒険者ギルドに向かった。
冒険者ギルドについてイザベラさんを探すとギルドカウンターの受付にいつものようにイザベラさんが座っていた。
イザベラさんは俺たちを見つけると他のギルド職員の人に受付を代わり俺たちの元にやってきた。
「来てくれたのね。ふ〜ん‥その顔を見ると決めたみたいね。」
イザベラさんには敵わないな。
「はい。ちょっとロンギル共和国まで行ってきます。」
「そっか、わかったわ。それじゃ3人ともギルドカードを渡してもらっていいかしら?」
俺とアキーエ、ミミウはイザベラさんにギルドカードを渡す。
カードを預かったイザベラさんは受付の奥に入って行った。
しばらく経ってイザベラさんが戻ってくる。
「それじゃ3人ともAランク昇格おめでとう。それと‥気をつけて行ってらっしゃい。」
俺たち3人はイザベラさんの言葉に大きく頷くのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます