第254話
キリーエの頭に手を乗せてスキル【模倣】を発現する。
(ピコーンッ)
『模倣スキルを発現しました。対象にスキルを譲渡しますか?』
譲渡する‥
『スキル保有者の承認を確認致しました。譲渡を行います。どのスキルを譲渡しますか?』
【棍士】【身体操作】【感覚強化】
『譲渡するスキルを確認致しました。スキルを譲渡します』
キリーエの身体が淡く光る。
「ほわっ!なんやたくさん頭の中に入ってきた!」
とりあえず3つのスキルを譲渡したが、それでも混乱はしているみたいだな。
身体の動かし方や感覚の強化、それら新しい力が急に入ってくるんだしな。
キリーエは立ち上がって身体を動かしている。
「なんや分からんけど、身体の中に芯が入ったみたい。」
【棍士】は棒術になるのだが、その辺に落ちている棒を使ってもある程度は戦えるだろうと言う事で譲渡した。
【身体操作】については自分の身体を思い通りに動かす事ができるスキルだ。
もし逃げるなどの動作の際にも重宝するはず。
それに【感覚強化】は必要時に五感を強化するスキルで襲われた時にその場の情報をいち早く収集する事ができる。
キリーエの顔がまだあわあわしている。
もう少し待つか。
【身体操作】で身体が思い通りに動くのがよほど楽しいのか身体を思いっきり後ろにそらせてポーズをとっている。
やめなさい。
下から覗くぞ。
ごめんなさい、嘘です。
睨まないでくださいアキーエさん。
調子も戻ったようなので次のスキルを譲渡する。
キリーエの頭に再度手を添える。
(ピコーンッ)
『模倣スキルを発現しました。対象にスキルを譲渡しますか?』
譲渡する‥
『スキル保有者の承認を確認致しました。譲渡を行います。どのスキルを譲渡しますか?』
【回避】【感知】【遮断】
『譲渡するスキルを確認致しました。スキルを譲渡します』
今度は襲ってくる者を先に感知して対応するためのスキルだ。
【回避】は攻撃への回避行動の補正はもちろん、逃走時にも必要になる。
【感知】は【察知】と似て非なるものだ。
【察知】は常時発現スキルだが、【感知】に関しては自分が意識して使う必要があるため事前に察知する事ができない。
そして【感知】は魔力の波を放つ事で相手がどこにいるかわかるスキルだ。
これだけだと【察知】の劣化版のように思えるが、なんと【感知】は周辺を立体的に捉える事ができ物の位置、通路の場所などがわかり街の中での戦闘に特化しているのだ。
街の中での逃走であれば行き止まりなどに行ってしまう事もなく、最短で逃げ道を選択する事ができるはずだ。
【察知】を譲渡しようかとも思ったが、キリーエに譲渡するよりも俺が持っていた方が何かと便利だと思えたからキリーエには【感知】を譲渡する事にした。
【遮断】は自分の存在感を薄くすることができる。これを模倣した相手は気配遮断という系統進化したスキルだったが、見ているのに存在が希薄になるという中々やっかいなスキルだった。
【察知】を持っていたから反応はできたが、なければ苦戦したと思う。
回避して気配薄くして走って逃げる。
完璧である。
スキル【察知】持ちじゃない限りはほぼ見つけることができないんじゃないだろうか。
今度試しにアキーエと鬼ごっこでもしてもらうとしよう。
そして残りのスキルを譲渡する。
最後は遠距離攻撃手段だ。
スキル【弓士】【命中】【投擲】
【弓士】は模倣スキルだからレベルは1だがスキル【命中】も譲渡することでレベル1でもかなり有用となるはずだ。
あとは困った時はその辺の物でもいいからとりあえず投げておけ的な感じでスキル【投擲】も譲渡した。
地面に落ちている石でも投げればスキル【命中】が補正してくれるので近寄る事も難しくなるだろう。
さてさてこれでキリーエが戦う商人になったわけだが、実際に少し訓練をして動けるようにしないとね。
明日はイザベラさんが家に来るそうだ。
また新しい情報があるといいけど‥
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