第253話
数日がたった。
スキル集めは変わらずといったところだが、そろそろキリーエにスキルを渡すことができそうだ。
みんなで話して決めるとしよう。
アキーエたちの情報収集についても順調と言っていいだろう。
イザベラもエッケンさんも心当たりがあるそうだ。
エッケンさんからはロンギル共和国に最近大きな商会が動いている事を聞いた。
その商会はロンギル共和国では小さなものだったが、最近になり他の商会を吸収合併しながら大きくなったらしい。
そして大きくなる際になかなかあくどい事をして大きくなっており、悪い噂が絶えないとの事。
それこそ商会の代表が突然死したなどの話もあり、それについても関与しているのではなんて噂もあるみたいだ。
商会の名前はナイコビ商会。
とりあえずこの商会については調べる必要があるだろう。
模擬戦もほとんどの模擬戦を受けていることが噂になり、申込者はどんどん増えていった。
あまりの多さにアレカンドロと俺だけじゃ間に合っておらず、いつの間にかバラックスさんも参加していた。
バラックスさんは最初はアレカンドロと模擬戦しに来たみたいだけどそのまま居着いた。
「はっはっはー!いいぞいいぞ!もっと来い!」
うん。
本人も恐ろしく楽しそうだからほっとこうと思う。
下手に矛先がこっち向いても困るしな‥
しかしお陰でまた幾つかスキルを模倣する事ができた。
キリーエには表立って戦う能力ではなく、自衛に優れたスキルを渡したいと思う。
それともし戦いに参加する必要がある場合に遠距離で攻撃できる手段も必要だ。
過保護とも思うが、キリーエは商人だから戦闘経験がほとんどない。
だからそんな彼女でも身を守れる手段としてスキルを考える必要がある。
その日の夜にみんなで集まることにした。
「いえー!第何回か忘れたけど、これからどうしよっか会議ー!」
「もう名前も回数も適当なのね‥はぁ。いえー。」
あ、アキーエが呆れてるぞ。
「いえー!」
ミミウは変わらずだな。
ほっこり。
「い、いえー!急に明るくなってどうしたんマルコイさん。」
「いや、いつ来るか分からないような相手に暗くなってるのも勿体ないなと。状況が状況なのはわかるけど、楽しんで行こう。ぶっ飛ばしてやるぜみたいな感じでさ。」
「はは。マルコイさんらしい。確かに暗くなってるんは勿体ないよね。せっかくスキル貰うんだから楽しまないとね!」
「確かにその通りね。いつ来るか分からないのに怖がってる事自体が相手の思い通りだわ。わたしたちらしくね。」
「よしっ!それじゃ第一回キリーエに渡すスキルを決めましょう大会っ!」
「「「おーっ!」」」
俺は覚える事ができたスキルを書き出す。
数として10を超える。
「とりあえず考えてたんだが、キリーエに必要なのは自衛と遠距離からの攻撃じゃないかな。」
「自衛はもちろんだけど、遠距離もいるの?」
「そうだな。もし俺たちの誰もいなかった場合も考えると、少しでも相手を威嚇するために遠距離から攻撃できる手段も持っていて欲しい。だから、これとこれは必要かな。」
「なるほど。相手が近寄る前に気付いて攻撃できたらいいわね。それともし近寄られた時の事を考えるとこれもかな。」
これで譲与結合まであればよかったのだが、ないものねだりだな。
それに他にもスキルを模倣していけばそのうち機会はあると思うし。
「それじゃあとりあえずこの辺を譲渡するとしようか!」
「なんや分からないけどお任せします。」
キリーエは完全にお任せモードだ。
全部一気に譲渡すると混乱すると思うから、幾つかずつ譲渡していくとしよう。
これでキリーエも戦う商人になれるな。
うん。
なんか強そう。
俺はキリーエの頭に手を添える。
「それじゃキリーエ準備はいいか?最初に幾つか譲渡していくけど、何かあったらすぐに言ってくれよ。」
「わかった。」
そして俺はキリーエに譲渡を始めた。
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