第236話
「たのも〜う!」
いや、もういいって。
3回目はナシだ。
もう居留守を‥
「おお!貴殿はミミウ殿か!マルコイ殿のパーティメンバーで『フォートレスナイト』の二つ名を持つ凄腕盾士だと。是非手合わせを‥」
あ、ミミウが捕まってしまったのか‥
う〜む、ミミウなら多分模擬戦受けるだろうなぁ。負ける事もないけど、困ってるだろうな‥
仕方ないすぐに行って‥
「ほげらっ!」
あ、早っ‥
終わってしまったものはしょうがない。
俺は安心して2度寝を貪った。
昼過ぎまで休んで、そろそろ近場でもいいから討伐依頼でも受けようかとギルドに向かうために外に出た。
するとフルフェイス、フルアーマーの鎧男が立っていた。
「おいおい。アレカンドロさんもう俺たちの力はわかっただろう?それでもまだ模擬戦を希望するのか?」
「いやマルコイ殿達の強さは思い知りました。なので今回はその強さの秘訣を少しでも学ぼうと思いやってきました。」
へえ。
自分たちよりたぶん年齢も上だと思うが、それを素直に受け入れる事ができるって凄いな。
少しだけアレカンドロに対する評価が変わったかな。
面倒臭いのは変わらずだけど。
声でかいし‥
「でも残念だけど俺たちは今からギルドに行って討伐依頼でも受けようかって事になってるんだ。だからまた今度な。」
「なんですと!では是非とも一緒に連れて行ってはもらえぬでしょうか?負けた手前こう言うのも何ですが、邪魔にはならぬ程度には動けるつもりです!」
確かにアレカンドロはAランク相当の実力はありそうだしな。
しかしAランクといってもピンキリだからバラックスさんには遠く及ばないだろう。
「どうするアキーエ?」
「ん?いいんじゃない?別に邪魔にはならないって自分で言ってるんだから。」
そっか。
近場の討伐依頼で魔族にあったりする事はないだろうし、別に構わないかな。
「わかった。でも依頼を受けるのは俺たちだから見るだけになると思うけどいいか?」
「おお!ありがたい!恩に着まする!」
俺たちは4人でギルドに向かい依頼を受けることにした。
ギルドに入った時に、アレカンドロのフルアーマーが珍しいのか随分と好奇の目で見られてしまった‥
本人は静かにしているのだが、フルアーマーがガチャガチャ音がしてそれでも皆が見てくる。
少し恥ずかしい‥
討伐依頼は近くで出来るものを選んだが、近場の依頼は畑を荒らすボアや近くの林で狼のような鳴き声を聞いた等の依頼だった。
ボアの討伐を受けて近くの畑まで行く。
付近の林を探索しボアを3匹討伐して依頼を達成した。
特にこれといって勉強になるような行動はしていないが、アレカンドロはしきりに頷いていた‥
頭振り子みたいになっとんぞ。
そしてギルドに報告を行い、討伐報酬をもらってから家に戻る。
するとアレカンドロは玄関で止まり話しかけてきた。
「マルコイ殿!今日はありがとうございました!ボアの討伐の際にも、やはりお3人は光る物がありました!これからしばらく通わせていただきますので宜しくお願い致します!」
そう言ってアレカンドロは去って行った。
え‥?
あの人毎日来るつもりなの?
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