第235話
ルーベストはアキーエ攻撃を喰らい派手に転がっていった。
昨日のアレカンなんちゃらの2倍ほどは距離を伸ばしたんじゃないだろうか?
うん。
暫定1位!
もちろんルーベストは転がった後に立ち上がるわけもなく、そのまま意識を失っている。
アキーエは気を失っているルーベストに近づき、気絶しているルーベストの胸ぐらを掴み無理矢理引き摺り起こす。
そして気を失っているルーベストの顔を優しく叩き、ルーベストの意識が戻るように促す。
「はっ!な、なにが起こった!」
意識が戻ったルーベストを立たせると、アキーエは距離を取る。
「どうする?まだやるの?」
「ふ、ふんっ!まぐれ当たりがたまたま出たからと言って調子にのりやがって。ば、ばけの皮をはいでやる!」
ルーベストは再度アキーエに突っ込んできた。
といってもさして対策しているわけではなく、先程の二の舞となり派手に飛ばされる。
お?
記録はさっきの方が良かったな。
残念。
ルーベストは見たところ冒険者ランクBの上位といったところか?
アキーエの相手には力不足だな。
多分アレカンほにゃららの方が強そうだ。
今度は気絶してなかったようで、這いずりながらアキーエから距離をとり上半身だけ起こした状態でアキーエを見る。
「どうする?まだやるの?」
「ひっ‥ひー!ば、化け物だ!」
そう言ってルーベストは這々の体で逃げ出していった。
ば、ばけものて‥
ほら、勝ったのにアキーエさんちょっと泣きそうになってるやん!
「ほほう。素晴らしい!アキーエ殿もかなりの強者でありますな。それにマルコイ殿と闘いたいならアキーエ殿を倒してからという事であれば、アキーエ殿何卒自分とも手合わせを願いたい!」
「え?わたしと?今だいぶむしゃくしゃしてるから手加減できないかもよ。それでもいいの?アレカンストさん。」
名前アレカンストだった。
「ええ!望むところです!宜しくお願いいたす!あと自分はアレカンドロです!」
いや違ったアレカンドロだった。
そしてアキーエとアレカンドロが模擬戦する事になった。
やはり先程のルーベストよりもアレカンドロの方が動きがいい。
実際に戦い慣れている様子が伺える。
戦斧を横振りした後に隙が少なくなるよう石突を使用して近づけないように戦斧を振り回している。
しかしアキーエは魔闘士になってから化勁がさらに上達しアレカンドロの力の篭った戦斧を流れるように軌道を変えながら近づいていく。
そしてアレカンドロの懐に入ると片手をフルアーマーにつける。
そしてアキーエの身体が僅かにブレた。
「ほげぇっ!」
アレカンドロはそのまま地面に崩れ落ちた。
0距離の攻撃ではあったが、今度は浸透勁ってやつか。
確かにフルアーマーを装備しているから、攻撃を通すにはそちらの方がよかったんだろうけど‥
フルフェイスの兜でオロロってするのはきついなぁ‥
「ず、随分と怒ってらっしゃる?」
俺は下半身が引けた状態でアキーエに問いかける。
「まあね。アレカンドロさんは悪い人じゃないのかも知れないけど、さっきの奴を連れて来たのはちょっとね。」
アレカンドロよ‥
ご愁傷様です‥
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます